因数分解の答(こずるいやつ)

問題:n、mが、1、2、3であるとき、
 a^n(b^m - c^m) + b^n(c^m - a^m) + c^n(a^m - b^m) を因数分解せよ
 
以下、式を(n, m)で表す。
たとえば、(1, 1)は、nもmも1だから、a(b - c) + b(c - a) + c(a - b) を表す。
これらは、a、b、cに関して、交代式(いれかえると符号が変わる)になっている。
よって、因子に(a - b)(b - c)(c - a)を含む。
これは3次式なので、2次以下はゼロにならざるを得ない。よって、
 
(1, 1) = 0
 
(2, 2)と(3, 3)は(1, 1)と同じ構造なので、やっぱり、
 
(2, 2) = (3, 3) = 0
 
(1, 2)は3次なので(a - b)(b - c)(c - a)の定数倍ばい(九州弁)。
そこで、たとえば、ab^2の係数を比べると、その定数が1であることがわかる。よって、
 
(1, 2) = (a - b)(b - c)(c - a)
 
(2, 1)も同様にできる。良い子の童謡である。
 
(2, 1) = -(a - b)(b - c)(c - a)
 
(1, 3)は4次だから(a - b)(b - c)(c - a)(1次の対称式)。
対称式とはaとbなど入れ替えても符号がかわらないやつ。それは今の場合、
(a + b + c)の定数倍しかない。したがって、
「(1, 3) = (a - b)(b - c)(c - a)(a + b + c)の定数倍」ばい。
この定数は、やっぱり、ab^3の係数あたりを比べてすぐ1とわかる。よって、
 
(1, 3) = (a - b)(b - c)(c - a)(a + b + c)
 
(3, 1)も同様にできるので動揺しないように。
 
(3, 1) = -(a - b)(b - c)(c - a)(a + b + c)
 
(2, 3)は5次だから、えーと、
(2, 3) = (a - b)(b - c)(c - a)(A(a + b + c)^2 + B(ab + bc + ca))
みたいな感じ?ただし、AとBは定数。
Aが0でないとa^4bみたいな項が現れるが、もとの式にはない。だから、Aは0。
あとは、a^2b^3の係数でも比べるとBが1であることがわかる。よって、
 
(2, 3) = (a - b)(b - c)(c - a)(ab + bc + ca)
 
(3, 2)も同様にできる。
 
(3, 2) = - (a - b)(b - c)(c - a)(ab + bc + ca)
 
ま、こんなもんすか?ちょろいすね。
 
でも、私は高1の子供にこういう大人の解き方をしてもらいたいわけではない
地道に計算してほしいのである。
がんばれ!