頭をよくすることと勉強と

以前、頭をよくする特別な方法を探すより素直に勉強した方がいい、と書いたと思う。
それは今でもそう思う。
しかし、同じことでも、ちょっとした解釈の違いや実行方法の違いから、ずいぶん違う
結果にもなるような気がしてきた。
 
やはり、なんと言っても、頭はいい方がいいと思う。
運動能力の高い子は、サッカーでもバスケでも、やってみるとぐんぐんできるようになる。
それで選手になるとか、オリンピックに出る、というと別の話になると思うのだが、
そこまで考えないなら、「運動能力が高い」ということだけで、ずいぶん、楽しい人生を
送れるのではないだろうか。
同様に、頭が良ければ、いろいろなことで有利である。
 
しかし、頭をよくする特別な方法はないと思う。
頭をよくしたければ勉強するのが一番ではないだろうか。
運動能力の話をするならば、「この子、生まれつきだよなぁ〜」という場合もあるが、
そこまでいかなくても訓練で結構伸びるように思う。
あ、いや、だから、選手になるとか、オリンピックとか、そういうレベルの話ではない。
では、運動能力を伸ばす訓練とはなんだろう。
たとえば、幼児期なら、ダンスとかちょっとした遊びとかありそうだが、ある程度の
年齢になれば、何かのスポーツをやらせることが一番ではないだろうか。
小学校時代にサッカーをやったために、バスケができなくなった、なんてことはないと思う。
もちろん、時間配分の問題はあるが、それは別の話だろう。
 
同様に、頭をよくしたければ、勉強すればいいと思うのだ。
しかし、逆に、勉強すれば頭がよくなるか、というと、そうでもない(らしい)、と、
最近思うようになったのである。
たまに、いろいろな教育方法論が耳に入る。
で、ときどき、「それは違うんじゃないのかな」と思うのだ。
もちろん、誰もが、自分の命をかけて子供を育てているのだから、安易に、反論すべき
ではないと思う。でも、ちょっと言いたい。
 
だから、ブログで書いてるわけである。
もちろん、なんの権威付けもない、ただの私見に過ぎない。 
 
そもそも、頭がよいとはどういうことだろうか。
それは、たぶん、いろいろなことを関連付けて考える能力だと思う。
生きていて出会う問題を解くのに、他人が思いつかないような解決方法を見つけられる
人は頭がよいと思う。
そういう人は、他人とまったく違った発想をするわけだが、たぶん、その発想の元を
どこかとんでもないところから持ってきているのではないだろうか。
それこそが、「いろいろなことを関連付けて考える能力」だと思うのだ。
 
で、「いろいろなことを関連付けて考える能力」は、たぶん、はじめに「いろいろな
ことを関連付けて考える態度」があって、そこから生まれてくるのではないかと思う。
 
ところで、勉強というのは、「いろいろなことを関連付けて考えること」を要求する
ことも多いが、否定することもある。
たとえば、数学の勉強中、一次関数を習っていたら、「あれ、これなんか方程式に
似てるな」と思ったとしよう。そういう場合に、面倒がらずに考えていくと、
数学ができるようになるだろうし、頭もよくなると思う。
しかし、「先生、方程式に似てますね?」なんて生徒が言うと、「そうだね。でも、
今は一次関数をやってるんだから、その話はあとでね」という先生もいるだろう。
悪い先生だろうか。微妙だと思う。
実際、関数と方程式には強い関連があり、いずれその話をするに違いない。
けれど、傾きだのなんだの、新しい概念でひぃひぃ言ってる子供たちに、最近やっと
終わった方程式の惨劇を思い出させるより、今は触れない方がいいと思う先生も
いるに違いない。
 
また、問題文に「赤い車が時速100kmで・・・」とあったときに、「先生、これフェラーリ
ですか?」「フェラーリってイタリア車?」「時速100kmって交通違反じゃないですか?」
「あ、そうだ、日本で一番生産額が大きい工業地帯って中京工業地帯ですよね」なんて話に
なると、どうだろう。
こういうとき、伝説の先生なら、授業を中断して、、、なんてなるのだろうが、
普通の先生なら、どうしても、「いや、その話はあとにしてくれ」と言うだろう。
だって、数学の授業なんだから。
 
私はこの先生は悪くないと思う。
しかし、子供たちにとっては、もしかすると、もったいないことだったかもしれない。
それは、「いろいろなことを関連付けて考える態度」が否定されちゃったのだから。
 
何が言いたいかというと、勉強には、「今やっていることに集中するために、
他との関連を意図的に遮断する」という側面があるということだ。
これは、ある意味、「頭をよくする」に反する行為だろうと思うのだ。
くどいけれど、先生が悪いのではない。
勉強にはそういう側面もある、というだけの話だ。
 
続く。
と思ってちょっと絵付きで続きを書いたけどその絵がなんだったので削除しました。
この話はここで終了とします。