伸展と強化について12

ノートの話の前に、「基本参考書」(自分の知識の体系の補助として利用する参考書)を
実際にどのように活用するかについて。ちょっとだけ、科目別に。
もちろん(笑)、これは、ほとんど「私の経験+私の想像」にすぎない。
 
数学。
数学こそ、知識のつながりが重視される科目だと思う。
だからこそ、「参考書の前の方を何度も見直す」ということは、重要なはずだが、
「中学・高校の数学」に限定すると、そうでもないかと思う。
そもそも、中学生や高校生は、あまり数学の参考書を読まないし、読まないでよいと思う。
(問題集や問題解きに焦点をあてた参考書のことではない。理論の参考書という意味だ。)
そして、中学・高校の数学で習う「基本知識」はごくわずかで、あとは、ずっと問題解きを
やらされる。問題解きとは、「知識のつながりを見つける作業」である。
問題を解くには、「あの定理(知識)とこの方法(知識)を組み合わせて・・・」なんて
考えるわけだから。
つまり、「知識のつながりを探す」ということは、普通の授業の中で織り込み済みなのだ。
だから、私が言うような「参考書」は、出番がない(少ない)ように思う。
大学以降の数学では、「参考書の前の方を何度も見直す」が絶対的に必要だと思う。
 
歴史。(例によって。)
歴史は、時間の流れにそって起こった事のはずだが、歴史の参考書の説明順序は、大抵、
そうなっていない。時間を何度も戻したり、飛ばしたりする。
また、たとえば、日本の歴史の途中にヨーロッパの歴史(ずいぶん遡った時代の)が
挿入されていたりもする。(中学生用の参考書の話。)
もちろん、それは説明の都合で、仕方がないのだが、苦手な子にはきつい所だ。
 
しかし、逆に、自分の頭の中で、「歴史の参考書に書かれている知識」の間につながりを
つけていくことこそ、まさに「知識間のつながり」を探す作業であり、有用だと思う。
何度も繰り返しているが、それは、「重大な発見をしろ」と言っているのではない。
たとえば、参考書の説明が、「寛政の改革 → ヨーロッパの歴史 → 天保の改革」と
いう順になっていたら、ただ、それを「寛政の改革 → 天保の改革」とつなげなおし、
ヨーロッパの歴史を、それに並行するものとして理解する、、、などという話である。
単純なことだが、このように、参考書の記述をあれこれ考えることは、いろいろな意味で、
よい学習になると思う。
 
なお、上記は、ちょっと立派な話(?)だが、もっとレベルの低いことでもよいと思う。
たとえば、朝○龍が話題になったときに、チンギス=ハンと比べてみるとか。
これも、「知識間のつながり」を作ることになるから。
 
英単語。
実は、このエントリーをはじめた具体的な目的は、英単語の学習法を考えることだった。
私的には、ここまでで十分成果があったのだが、やっぱり、本丸は英単語だ。
英単語の学習はどうしたらよいだろう。
「単語は意識せずに自然に覚えるのがよい」という意見もあると思う。
実は、去年まで、私はそう思っていた。
しかし、やっぱり、人生のある時期、ぐぉ〜っと、知ってる単語数を増やさなければ
いけないときがあるようだ。
そのためには、ここまでに考察してきたことを、単語学習に応用すればよいと思う。
 
単語学習に使う「基本参考書」は、何がよいだろうか。
まあ、思いつくのは、「単語集」のようなものだろう。
私は、初学者には、例文付きのものがよいと思う。
で、その単語集を頭から読んでいって、「今学んでいる単語と、すでに学んだ知識と
のつながりを見つけていく」なんてことができるだろうか。
 
私はできると思う。
たとえば、「その単語を使って英作文をしてみる」とよいように思う。
英作文は、1単語ではできない。
当然、それまでに習った単語と合せて行うことになる。
英作文をしてみれば、これまでの知識と新しい単語を結びつけることになるだろう。
 
ただし、ここで、あんまりがんばって難しい英文を作らない方がよいと思う。
たとえば、abandonなら、たぶん、単語集には、
He abandoned the ship.
なんて例文がある。(だから、例文がある本がよいと思うのだ。)
それをオウムのように繰り返すのもよいが、ちょっとだけひねって、
I abandoned the car.
なんて言えるかどうか考えてみるのだ。
 
実のところ、私は、こんなちょっとした英文ですら、正しいのかどうかわからない。
だから、つらいのだが、それでも、調べたり考えたりしているうちに、いろいろな
ことがわかってくる。ような気がするのだ。
調べる「道具」は、辞書、英語の先生、インターネット、、、ということになる。
(ただし、インターネットはウソが多いので、初心者はやめた方がよいと思う。)
 
なお、この場合、よく考えてみると、「基本参考書」は、「単語集」というより、
「単語集 + 辞書(英語の先生、インターネット、、、)」(そうすると、「1冊」
ではないのだが)、あるいは、実は、「辞書」「英語の先生」ということになる
かもしれない。
 
英単語学習の研究ははじめたばかりなので、もし成果が出たら、また、後日。
 
で、続く。
 
おまけ:
私が「えーと、abandonは・・・」と独り言を言っていたら、妻が、
「誰もが知っているabandon。受験生の友abandon」などと言い出した。
これは、大学受験時の単語集の最初の方にある単語なので、みんなこればっかり
覚えて、その先に進まない(やめちゃう)、、ということを揶揄しての発言らしい。