「できるようになる」について2

「逆上がり」ができるようになるには、コツをつかむ必要がある。
 
で、逆上がりののコツは、親切な友人や先生から教わることができる。
「体を鉄棒から離さないようにするんだよ」とか。
それから、できる友人や先生の模範を見ることも重要だと思う。
逆に、「実際の逆上がりを一度も見たことがない子供が、
本を読んだだけで逆上がりができるようになる」ということは、
めったにないだろう。
 
逆上がりについてまとめると、
 ・基礎体力は重要であるが、それだけでは足りない。
 ・コツをつかむことが必要である。
 ・コツは教わったり、できる人を見ることで学ぶことができる。
ということになるだろう。
これは、たとえば、「自転車に乗る」も、ほぼ同様だと思う。
 
それでは、「水泳」はどうだろうか。
ここで言う「水泳」とは、「水泳選手になること」ではなく、
「ただ泳ぐこと」だ。
 
原理的には、「水泳」は、「逆上がり」よりはるかにやさしいと思う。
人間は浮くようにできているし、浮いた状態で手足をばたばた
させればちゃんと推進するのである。
あとは息継ぎだけだが、これは、純然たるタイミングの問題で、
コツさえつかめれば実に簡単だ。
(繰り返すが、選手になる話ではない。ただ、泳ぐだけのことだ。)
「水泳」には、基本的に、基礎体力が必要ない。
コツだけの世界なのだ。
 
にも、かかわらず、「泳げない」という人は、けっこういる。
それは、つまり、コツ(息継ぎのタイミングなど)がつかめないのだ。
「水泳」に関しても、コツを教えてくれる友人や先生はいるだろう。
友達の泳ぐところを見ることもできる。
それなのに、どうして、コツがなかなかつかめないのだろうか。
 
私にも経験があるのだが、泳げない人は、いざ水に入って泳ごう
とすると、ほぼパニック状態になって、教わったことも見たことも
すっかり忘れてしまうものなのだ。
(実のところ、「水泳」の直接的なコツは「息継ぎのタイミング」だが、
 より一般的で一番重要なコツは「パニックにならないこと」だと思う。)
 
逆上がりは、「えいやっ」とやると案外簡単にできることがある。
そのとき、コツが、体でわかる。
しかし、「えいやっ」とやらなければ、永遠にできない。
これは、「水泳」も同じだ。
水に入って、「えいやっ」と泳ごうと思わなければ、永遠に泳げない。
あきらめなければ、(たぶん)誰にでもコツはつかめるものだ。
 
ここでは、コツをつかむ際の1つの側面を述べたかった。
それは、
 ・恐怖がコツをつかむ邪魔をすることがある。
ということだ。
これは、「自転車乗り」もそうだろう。
 
続く。