カビボ先生とイタリア物理学会

ノーベル賞に小林先生、益川先生が選ばれて、カビボ先生が選ばれなかったことが、
ちょっとした話題になっているようだ。
私は専門家ではないが、カビボ先生の業績と、小林先生、益川先生の業績の間には
「切れ目」があるのだから、まあ、仕方がないのではと思う。
 
ただ、なるほど、「カビボ・小林・益川行列」と言えば、「一人だけなぜ?」と
いうのもうなずける。
(ネットではじめてご尊顔を拝見したが、とても、良い人そうなのも、グッとくる。
 来年は、ヒグス先生とカビボ先生で、、、なんて感じでよいのでは?)
選考委員会は、「批判」が起こることは、十分承知した上でのつらい決断だったの
だろうと思う。
 
ただ、私は、イタリア物理学会の「抗議自体」は、悪くないと思う。
「盗んだ」という過激な表現は、どういう意味であっても、不当だが。
実際のところ、「抗議」で判定が覆ることはないはず。(でしょ?)
それより、世界にカビボ先生の業績を訴え、カビボ先生自身に対して、「ノーベル賞
選考委員会がどう思おうと、我々は先生の業績を評価している」という意思表示に
なっている点が重要だと思う。
 
もし、仮に、まあ、あり得ない話だが、カビボ先生が選ばれ、小林先生、益川先生が
選に漏れた場合、日本物理学会は行動を起こしただろうか、と思う。
 
追記:
ネットを見てみると、「イタリアの主要紙が日本が賞を盗んだと書いている」と
報じられているようだが、冷静に対処すべきだと思う。
まず、本当に「主要紙」なのか、本当に「盗んだ」とあるのか、原語のわかる人に
調べてほしいように思う。
また、その発信源が、イタリア物理学会なのかも。
もし、本当にイタリア物理学会が「盗んだ」と言ったのなら、日本物理学会
抗議すべきだろう。
が、一方で、微妙な誤訳、もしくは、誤報の可能性もあるような気がしてならない。
 
それから、かばうわけではないが、たとえば、英語のstealだとしたら、確かに、
「盗む」だが、たぶん、「盗んだ」というより、「上前をはねた」「うまいことやった」
というニュアンスではないかと思う。
まあ、それにしても、失礼な表現ではあるので、こちらが抗議すれば、謝罪するの
ではないだろうか。
 
もうひとつおまけで言うと、「イタリア人が日本人を人種差別」というのは、ないとは
言わないが、どうも、イタリア人をアングロサクソンのように考えている人が多い
ような気がする。
  
この件に関しては、アングロサクソンが書いた英語版のニュースが読んでみたい。