学力調査結果

文科省が実施した全国学力調査の結果を「公表」したとのこと。新聞で読んだ。
今年4月の実施だから、なかなかのスピードだと思う。
新聞に出ていた部分だけでも、なかなかおもしろいものだった。
 
以下、雑感。
 
・A新聞の社説「これならもう要らない」について
私は、A新聞のファンだが、この意見には賛成できない。
そもそも、「要らない」という理由が、社説を読んでも理解できない。
何をするにも、客観的なデータは重要である。
「データの結果に新味がない」と言うのも、おかしい。
一番新しいデータが、一番「新味」があるもののはずだ。
別に突拍子もない結果が出なくても、結果こそが重要なのだと思う。
市町村や学校の「序列化」を恐れているようにも感じる(勘違いならすみません)が、
格差が現実に存在するなら、それを隠すのはおかしい。
「もっと教員を増やせ」という意見には賛成だが、それは、別の話だと思う。
 
社説とは別に編集委員からの批判もあった。
そのうち「出題された問題が基礎的すぎてよくなかった」という批判は、今後、検討される
べきことだと思う。他は、社説と同じ。
 
・公開について
「77億円分の価値がない」かどうかは、データを公開してはじめて議論できる。
それだけの税金をかけたのだから、データは全面公開にすべきだ。
それを、各自治体(の教育委員会?)まかせという文科省の方針には、納得できない。
わが県の大部分の教育委員会は、はやばやと原則非公開の方針を出しているが、
その理由がわからない。
公開は手心を加えず、ずばっと全面公開が一番いいに決まっている。
 
・地域間の格差について
福井の成績がなぜ良く、沖縄がなぜ悪いのか、興味深いものがある。
おもしろいのは、どちらも、大都市圏ではない(よね?)ことだろう。
ただし、これが、そんなに大きな差なのかどうかは、よくわからない。
もし、これが実際に大きな差なら、その事実を隠すことより、その理由をさぐる事が重要だ。
 
・朝食を食べる子は高得点
陰山先生の本で読んでいたことだが、全国調査でも結果が出ておもしろい。
「朝食を食べる子」と「まったく食べない子」の差は、地域間格差をはるかに超えている。
つまり、「沖縄で朝食を食べる子」が、「福井で朝食をまったく食べない子」より、
かなり成績がよいことも期待できるわけだ。
「朝食を食べると、勉強ができるようになる」のか、「朝食を食べさせる家庭の子は、
勉強ができる」のか(あるいは、「勉強ができる子は、朝食を食べたがる」のか)、
その両方なのか、多くの人が考えるべきだと思う。
 
・総合の時間が好きな子は高得点
私は、ずっと、そうだろうとにらんでいた。(笑)
思ったとおりの結果が出てうれしい。
個人的な予想を言うと、「総合の時間が好きだから高得点になる」のではなく、
「高得点の子の方が総合の時間を楽しめる」だと思う。