下流志向 内田樹著」を、ほぼ読んだ。
 
不快貨幣とか等価交換とか、また、消費主体とか、非常におもしろい本だった。
最近の若者が示す不可解な行動を「下流志向」と言い切ったのに「感心」。
その(ひとつの)原因はこれだったんだと納得。
「勉強しないのに自信たっぷり」なんて、タイトルは、手を叩いて笑ってしまった。
まったくその通りだから。
私は、塾・予備校の講師だったころ、「根拠なんかいらない。とりあえず自信を持て」と
教えてきた。当時の(あんまり勉強のできない)子供たちは、みんな自信がなさそうだったから。
それなのに、今の若者は、「どっからその自信がわくの?」というほど、自信たっぷり。
(に、見える。)
そして、人から教わることを断固拒否する。
 
ただし、この本ですべての説明がついているとは思わない。
たとえば、私は、若者だけでなく、中年も老年も「昔と違う」と感じる。
それは、「自分を、最初に消費主体として立ち上げたから」という論に合わないように思うのだ。
 
とは言え、いずれにしても、読む価値の十分ある本だと思った。