オーバヘッドとモヤモヤ2

普通の人には(普通の人の話をしている)、勉強に取り掛かる前にオーバーヘッドがある。
それから、勉強をはじめてから「なんだかモヤモヤ進めない時間」がある。
それをどう考え、どう対処すべきか(せざるべきか)。
 
逆に、勉強がサクサク進んでいる状態とはどういう状態だろうか。
参考書が小説を読むように読み進められ、その内容がどんどこ頭に入ってくる。
う〜、あこがれちゃうな。
それか、問題集の問題がどんどんできちゃう。
 
しかし、それはおかしい。
問題集の問題がどんどんできちゃうなら、その問題集はあなたにあっていないのだ。
解ける問題をいくら解いてもあまり進歩は望めないではないか。
じゃ、参考書は?
これは確かにいいかもしれない。
しかし、ぶっちゃけ、サクサク読めちゃうような本で読む価値のある本は極めて少ないと思う。
あ、少なくとも、私には。
 
であるからして、「勉強がサクサク進んでいる状態」というのは、たぶん、たいてい幻想だと思う。
いや、たまに、ほんとにたまーに、そう感じることはある。
そういう瞬間は貴重だから、大事にしたいと思う。
 
たとえば、難しい問題集を解いているとする。
来る日も来る日も成果が感じられない。
初見の問題はほとんど解けない。
ところが、あるとき、ふっと解けることがある。
「お。いけるぞ!」と。
 
しかし、それは、よくよく省みるならば、「それまでの勉強の成果を感じている瞬間」であって、
その瞬間に勉強が進んでいるわけではないと思う。
勉強とはそういうものではないだろうか。
 
要するに、本当の勉強はモヤモヤの中にあるのではいだろうか、ということである。
 
ただし、モヤモヤ=勉強とは言っていない。
勉強ではないモヤモヤと真の勉強であるモヤモヤがあって、混然一体となっているのだと思うのだ。
その区別を外部からすることは当然難しい。
だが、たぶん、本人も難しいのだろうと思う。
それが問題なのだ。