オーバヘッドとモヤモヤ

たとえば、沖縄旅行をするとする。
しかし、そのためには、まず飛行機に乗らなければならない。
そのためには、まず旅行会社で相談してチケット等を手配してもらう必要がある。
そのためには、まず旅行会社に行かなければならない。
これらすべてをまとめて「沖縄旅行」だろうか。
 
こういう、本番前のいろいろを(IT業界では?)オーバヘッドという。
つまり、オーバヘッドも沖縄旅行の一部だろうか。
それは人によると思う。
「飛行機の中にいるときもすでに旅行」「むしろ、行くときの乗り物の中が一番楽しい」など。
それなら「旅行会社に行く途中ですごす車の中の時間」はどうだろう。
 
さて、勉強の話。
たとえば、私の場合、勉強に取り掛かる前のオーバーヘッドは次のよう。
 
勉強する決意を固める。(5分〜15分)
   ↓
教科書やノート、筆記用具を探す。(5分〜10分)
   ↓
席について気をためる。(1分)
   ↓
はっと気が付いて、飲み物・食べ物を用意するか、トイレに行く。(2分〜3分)
   ↓
勉強を開始する。
 
このオーバヘッドは決して馬鹿にできないほどの量である。
子供が「今日は1時間勉強した」と言っても、そのうち15分くらいはオーバヘッドかもしれない。
 
さらに、勉強をはじめても、それが「本当の勉強」かどうか難しい。
もちろん、ズルの話はしていない。
教科書を開いても、ちょっとボーっとしてしまう。
「なんか宿題があったっけ?」と考えてしまったり、どうにも乗れない。
 
ようやく普通の意味で勉強に身が入ってきても、うまく進まないことも多い。
たとえば、教科書を読んでも、問題集の問題を読んでも、頭に入ってこない。
(私の場合)なんだかイライラする。(実は、身が入っていない?)
問題の意味がようやくわかっても何をどうすればよいかわからない。
はっと気がつくと、時間がずいぶん経っていて、実質的には何もしなかったようだ・・・。
 
勉強をはじめてから「なんだかモヤモヤ進めなかった時間」を、その前のオーバーヘッドと
区別して、「勉強開始後のモヤモヤ時間」(略してモヤモヤ)と呼ぼう。
 
指導者(教師や勉強を見る親)は、子供のオーバヘッドやモヤモヤに対してどうすればよいだろう。