世界史の謎にいどむ(なぜ世界史がわかりにくいか)

まだやってんのかっ!
はい、まだやっております。
娘が大学受験を終えれば、たぶん、私はそれほど歴史について考えなくなると思う。
(実際、日本史がそうだ。もう、「聖徳太子?誰?太った子?」状態である。)
今考えたことは、このままでは私の脳の中で散逸していってしまうだろう。
それもおしいので書きとどめておくのである。
 
さて、世界史がなぜわかりにくいかというと、本音(?)と建前の乖離があらゆる
レベルで起こっているため、まじめな人(たとえば、私)は混乱するからではないだろうか。
何度も言っているが、これは世界史の先生への批判ではない。
先生方は、良心に基づいて教えておられるのだと思う。
しかし、その結果が、少なくとも私にはどうにも難しいものなのだ。
 
たとえば、「歴史は暗記科目ではない」というお言葉がある。
「暗記科目」というのは無定義用語なのでこの表明に意味はないと思うのだが、
この表明からは「そんなに覚えなくてもいい」という意味のことが想起されることは否めまい。
しかし、そんなことはないのである。「たくさん覚えなければいけない科目」なのだ。
ただ「歴史は暗記科目ではない」と言った人(の一部?多く?)は、「歴史は暗記科目では
ないと言ったが、覚えなくてよいと言ったつもりはない」と言うかもしれない。
実際そうかもしれないし、言い合うつもりはない。
 
たとえば、「歴史には流れがある」というお言葉がある。
確かに、「日清戦争下関条約→三国干渉→日露戦争」に流れはある。
しかし、サルゴン1世から日清戦争につながる流れはたぶんない。
じゃ、「フランス革命から日清戦争への流れ」は?
王安石の新法から日清戦争への流れ」は?
などという問が私(たち?)を苦しめる。
よく考えてみると、微妙な関連性はあると思う。
いやいや、もしかすると、ものすごく重要な関連性があるかもしれない。
しかし、教科としての世界史でそこが問われることは、たぶん、ないのだろう。
だから、歴史(特に、世界史)に流れはあるが、それは物切れ・細切れの流れだと思う。
 
上記2つの合わせ技的なものに「流れを理解すればよい」というお言葉がある。
これも「何がどうよい」のか不明だが、なんとなく「流れを理解すれば暗記しなくてもよい」か
「流れを理解すれば楽に暗記できる」なんて、甘いささやきに聞こえるが、たぶん、
そんなことはないと思う。
私はむしろ逆ではないかと思う。
つまり、
 
・たくさん暗記すると流れが見えてくることもある。
・わからなければ流れ自体も暗記しなくてはならない。
 
である。
 
これは批判ではない。
しかし、私のような人には、「歴史は暗記だ。まず覚えろ。流れ?それも覚えろ」と
言ってもらった方がたぶんよいと思うのだ。
そこで問題になるのは「何を覚えるか」だ。
 
私は、「何を覚えるべきか」に真正面から向き合っている先生は少ないのではないかと
思ってしまう。(そうじゃなかったらすみません。)
と言うのは、生徒に「何を覚えればいいですか?」と聞かれたら、「全部覚えろ」と言うか、
「流れを理解すればそんなに覚えなくても・・・」と言うしかないような気がするからだ。
 
ここまで世界史を勉強してきた身として思うのは、「たくさん暗記するしかない」という
ことなのだが、それにしても、軽重があると思う。
たとえば、「まずこれを覚えろ」的なものからはじめればいいだろう。
ところが、この「まずこれを覚えろ」が私には見えなかった。
 
「まずこれを覚えろ」がない(私には見えない)理由は何だろうか。
以下の理由が考えられる。
 
・そんなことを言って責任が取れない。
 (「まずこれを覚えろ」と言ったモノが入試に出なかったら?)
・世界史の先生は実は全部覚えているので、取捨選択ができない。
 (ごめんなさい。)
・特定の項目を重要と言えば、国々や民族の平等性に反する。
 
お言葉としてはないのだが、オーラとして「どの国も民族も平等」と感じることがある。
誰も言っていない言葉に反論するのはもっともいやらしい議論(?)の方法だが、
やっぱり言いたい。「少しも平等じゃないじゃないか」と。
まあ、このことは何度も書いているのだが。
 
イギリスやアメリカはとっても重要な国なのだ。(あ、世界史的に。)
しかし、日本の子供たちが、本当に、アルフレッド大王だのプランタジネット朝だのを
覚える必要があるのだろうか?
確認したことはないけど、イギリスの子供だってそんなに知らないのでは?
アフリカ諸国・・・。ごめんなさい。書けません。(だから、教科書的な意味で。)
 
決して批判ではなく。
たとえば、世界史の先生が「イギリスの歴史は重要ですから、細かいことまで覚えて
ください。アフリカのことは後回しでかまいません。時間がなければ覚えなくてもいいですよ。
まあ、時間がそこそこあったら、ベルベル人、ガーナ王国くらい知っておけばいいです」
なんて、、、言いそうにない。
教科書にもそうは書いてない。
しかし、それが真相なのではないだろうか。
 
続く。