「勉強のご褒美」について 2

もし、万一、ご褒美で勉強が好きでなくなるようなことがあれば、本末転倒である。
 
そんなことがあるのだろうか。
私は、けっこうあるのではないかと思うのだ。
 
男の子の中には、キャッチボールが好きな子がいる。
「おい、キャッチボールやんね?」「おう」
 
なぜだろうか。
「将来プロ野球選手になって大金を稼ぐためには、今、キャッチボールをしっかりやっておく
ことが肝要だ」とか「野球自体に興味はないが、スローイングの練習をしておけば将来役に立つ」とか
思ってやってる子供もいるかもしれないが、そんなに多くないと思う。
たぶん、楽しいからやっているのだ。
 
キャッチボールをしない子供に「これから100球キャッチボールをしたらお小遣いあげるよ」とか、
「ゲームを1時間やってもよいよ」とか言って、実際にキャッチボールをさせたとしたら、
その子供はキャッチボールが好きになるだろうか。私は、多くの場合、ならないと思う。
むしろ嫌いになっていく可能性の方が高いかと。
 
キャッチボールが好きな子とそうでない子の違いはなんだろう。
まあ、好き好きだろう。
が、もう少し考えてみたい。
 
私が思うに、例外もあるだろうが、基本的にキャッチボールが好きな子は、以下のような子では
ないかと想像する。
 
・キャッチボール自体をおもしろいと思う。
  「野球のため」と考える子もいる(多い?)と思う。
  しかし、それにしても、キャッチボール自体を楽しんでいるのではないだろうか。
・キャッチボールが好きな人が身近にいる。
  お父さんとか、近所の大きいお兄さんとか。
・キャッチボールをやり込んでいる。
  あれは、うまくできるまでは大抵の子供にとって「おもしろくない」と思う。
  私の場合は、むしろつらかった。
 
たぶん、キャッチボールをしてご褒美をもらっていない。
と、すれば、勉強の好きな子は次のようになるだろうか。
 
・勉強自体をおもしろいと思う。
  「将来のため」とか「親に褒められたい」と考える子もいる(多い?)と思う。
  しかし、それにしても、勉強自体を楽しんでいるのではないだろうか。
・勉強が好きな人が身近にいる。
  お母さんとか、近所の大きいお兄さんとか。
・勉強をやり込んでいる。
  あれは、乗れるまでは大抵の子供にとって「おもしろくない」と思う。
  私の場合は、むしろつらかった。
 
多くの親御さんにとって、まず、問題になるのは、ご自身が勉強を好きかどうかだと思う。
親が勉強好きなら、その子も自然に勉強好きになっていくのではないだろうか。
ラグビーの名手のお子さんが野球選手に、、、ということはあるようだが。)
仮に勉強があまり好きでない親御さんの子供が勉強を好きでなかったとして、その子供に
なんの罪があるだろうか。それは、自然なことだろう。
その子に「好きにならなくても結構。ただ、良い成績を取りなさい」と言うのは、なんとも
残酷な話に思える。
 
とは言っても、成績がよろしくないといろいろよろしくない。
と、考えた親御さんは、なんとか子供に勉強させたいと思うかもしれない。
しかし、自分自身が勉強を好きでないのだから、どうすればよいかわからない。
キャッチボールが好きでない親御さんが、子供にキャッチボールをさせるようなものである。
じゃあ、ご褒美でもだそうか。
ということなら、成功するのは、むしろ奇跡ではないだろうか。
 
魔法のような方法はないと思う。
しかし、成功する可能性の低いものに飛びつく前に、考えてみることはあると思う。