「ためらいなく比が使えること」「ためらいなく連立方程式を使えること」

ポイントは、「ためらいなく」であり、当然、さっさとやれるということである。
当然比を使うべき問題(それは方程式でも解けるが)を見て、考え込んでしまうようだと、
高校ではあまり使い物にならないと思う。
 
例:
ある気体の10%は水素で90%は窒素である。
この気体が10リットルあるときに、その水素を完全燃焼させるには空気がどれだけ必要か。
ただし、空気中、酸素は20%とする。
ただし、1リットルの水素を完全燃焼させるのに酸素は0.5リットル必要である。
(なお、1モルの気体は22.4リットルであるとせよ。)
 
などという問題である。(一見化学の問題なのはご愛嬌である。)
こういう問題を見て、「勘弁してよ」と思うのは普通の大人の反応だと思う。
私は思う。
しかし、高校生なら、少しは考えたとしても、スカッとできないといけないと思う。
元の気体10リットル中に水素は1リットルある。だから、これを完全燃焼させるのには、
酸素が0.5リットル必要である。空気中の酸素は1/5だから、0.5リットルの酸素を得るには、
空気は2.5リットル必要である。(ちなみに、この場合、モルがどうしたは必要ない。)
 
こういう問題の解き方を教えることはたやすい。
教えた直後なら類題もすぐ解けるだろう。
しかし、3か月後はどうだろうか。
また、これが気体の問題ではなく、別の何かの問題だったら戸惑うことはないだろうか。
どんな場合でも、いつでも、この手の問題をスカッと解いてほしいのである。
そうでない生徒を、そうなるように指導するのは、難しいと思う。
しかしまた、難しいからと指導しなければ、その生徒の理系ライフは楽しくないと思う。