高校数学の7つ道具 2

まずは用語の話っぽい話から。
 
ある数学の問題を三平方の定理を使って解いたとする。
その場合、次のようなコトが語られるかもしれない。
「難しい問題だったけど三平方の定理を使えばいいとひらいめいたんだ」
「見るからに三平方の定理を使う問題だから、実際、そうやって解いた」
三平方の定理は(高校)数学のルールだよね」
三平方の定理は(高校)数学でよく使う道具だよね」
 
これらの用語法の是非を論じる気はない。用語なんて人それぞれだから。
私はどれも「在り得る言い方」であると思う。
このエントリーでも無節操に濫用すると思う。
しかし、最初に一番言いたかった言い方は、
「この問題で三平方の定理を適用するのが高校数学のルールだよね」だと思う。
この場合の「ルール」は、「弱肉強食が自然界のルールです」の「ルール」、
「自動車は左側通行がルールです」の「ルール」、
「ものに執着しないのが俺のルールさ」の「ルール」のどれの意味もある。
(つまり、真理、約束事、方針などの意味。)
そこを追求する気はない。
とにかく、そんな感じの「ルール」である。
 
さて。
高校の数学というのはおもしろい構造を持っている。
数学の先生は一生懸命「問題の解き方」を教えてくれるのだが、その同じ先生が
テストのときは必ず「教えていない問題」を出すのだ。

この裏切り感はなんだ?(笑)
というのは、もちろん冗談で、先生は「特定の問題」を教えているのではなく、
「一般的な問題の解き方」を教えているのだ。
それが高校数学のルール(の1つ)だ。
 
それは当たり前の事のようだが、まじめに数学を勉強しているにもかかわらず、
テストであまりに悪い点を取ってしまう人は、頭が悪いのではなく、その
ルールをつかみきれていないのだと思う。
 
続く。