数学が苦手?2

今書いているのは、高校生について。
 
高校でサッカーや野球をやっている子には、それぞれのスポーツのルールが
本能に近いレベルに刷り込まれていると思う。
立ち止まって考えないとルールを思い出せない人や、ましてや、本をみないと
わからない人は、部活などで鍛えた人と一緒にサッカーや野球をすることは
できないだろうと思う。
それは、積み重ねてきたものが違うのだから仕方がない。
逆に、ルールブックをみながら試合に参加した人が、小学校から練習している
人より活躍しちゃったら、大変だろうと思う。
 
それは数学も同じだろう。
高校で数学ができる人は、本能に近いレベルで数学的思考をしていると思う。
(これは「難しい公式や定理を覚えていて使う」という意味ではなく、
 数学のルールに従って思考しているということだ。)
数学のルールの根本が身についていない人が「数学ができる人」と同じ教室で
数学をするのはさぞや苦痛だろうと思う。
(それは、数学ができる人にとっても同じである。
 部活の練習にルールもおぼつかない素人が入ってくるようなものだから。)
 
ただ、サッカーや野球なら、「俺はやらない」で済んでしまう。
しかし、「俺は嫌いだから数学はやらない」ではなかなか済まないところが
難しいと思うのだ。
 
高校生になって数学が苦手な人はどうすればいいのだろうか?
これは、「高校まで真剣にスポーツをやったことがなく、筋力も運動神経も
特段優れているわけではない人が、部活に参加して(そこそこ)活躍するには
どうしたらよいだろうか」という問と同じだと思う。
「そんなの無理」という解答が一番ありそうな解答だ。
少なくとも私は「こうすれば絶対うまくいく」という方法を思いつかない。
「やっぱりだめかもね」となる可能性は低くないだろう。
 
それでもなお道はないだろうかと思う。
もちろん、あくまで個人的な考えであって、何も保証はできないが。
私は、どういう手段によってでも、子供に
「数学にはルールがあり、ルールを守って思考しなければならないし、
 ルールを守って思考すれば楽しい」ということを、口先のリクツではなく、
しみじみとわかってもらうしかないと思う。
 
その具体的方法は・・・よくわからない。
いや、具体的方法がスラスラ言えれば苦労はないのだ。
それでも、具体的方法がなければ意味はあるまい。
 
大人が子供に数学を教える場合、「○○は△△である」という解説をするか、
問題を解かせるかのどちらかだと思う。
それぞれに特徴があり・・・なんて悠長なことは言いたくない。
ずばり、数学の苦手な子に数学の解説をするのはもうやめた方がよいと思う。
「道徳の授業をすると道徳心のある子に育つ」と考える人がいるようだが、
私はそんなことはないと思う。
同様に、数学の解説をすれば数学のできる子に育つとは思えない。
数学の初歩がわかっていない小学生・中学生ならともかく、高校生にとって、
数学の授業の大部分は「数学ができる人」のためにあるのだと思う。
高校の部活と同じなのだ。
 
「数学が苦手な子」には、問題を解かせるべきだと思う。
 
続く。