「数学の問題を何度も解きなおす」について2

私は、一時期、アガサ・クリスティ(推理小説家である)のファンだった。
特に、ポアロとマープル(両者とも探偵である)が好きで、たぶん、普通に出版されて
いるものは全部読んだと思う。
全部読み切ってしまうと、次に読むものがなくなってさみしいものである。
かと言って、なんだか他の小説家の本には行けなかった。
 
で、30年もたってから実家の書棚にならんでいるポアロをペラペラめくってみると、
あれ?内容が全然思い出せない。
「うひひ。これはいいぞ」と思った。
だって、もう一度、読み直せるんだから。
年をとると、こういうことをポジティブに受け止められるのである。
 
しかし、である。
読み始めるときには、新鮮な気持ちで読めるのだが、物語が佳境に入った頃になると、
はっきり犯人を思い出してしまうのだ。
ここぞというところで思い出してしまうので、なんとも残念な気持ちになるのである。
 
えーと。
ところで、数学の話をしていたのだった。
高校時代の自分のことを思い出すのはソートー難しい。
が、どうも、数学の問題でも、上の推理小説と同じことが起こっていたように思うのだ。
つまり、一度解いた問題をもう一度解こうとすると、解き方を、ときには答そのものを
思い出してしまったのではないかと。
しかも当時は若かったので(笑)、佳境に入る頃ではなく、解き始めるとすぐに思い出した。
ような気がする。
だから、基本、解き直しはしなかったのだ。と推測するのである。