もう少し英語の話

よく、「中学までの英語で話せる」という話を聞く。
賛成である。
しかし、なかなかそうできないことも知っている。
それは、つまり、人格の問題だと思う。
(前に「日本人は、難しいことを話そうとしぎる」と書いた。
 それも、つまり、人格の問題だろう。)
 
昔、ドイツでドイツ語学校に通った。
同級生に日本人もいたが、多くは、ヨーロッパ人だった。
で、同級生のイタリア人やスペイン人が、ものすごい勢いで習いたての「ドイツ語」を話すのに、
我々日本人は圧倒されたものだった。
「やっぱり、ヨーロッパ人同士だもんなあ。ずりぃーよなぁ」なんて話したものである。
 
ところが、ある日、みんなで食事中、あんまり勢いよく話されて、何を言ってるんだか、
全然わからないもんだから、一緒に食事中だった、ドイツ人の先生にヘルプを求めたことがある。
先生は、きわめてバツの悪そうな顔をして、「え〜と」となってしまった。
(ドイツ人の「バツの悪い顔」ってわかるんですよ。英米人は微妙。)
それから、その話していた連中に、「もう一度言ってくれないか」と言うのだ。
すると、彼らはまたものすごい勢いで話しだしたのだが、先生はやっぱりわからないのだった。
 
つまり、彼らは、自国語交じりの(かなりでたらめ)ドイツ語を話していただけなのである。
それがわかったとき、我々、日本人はなんとも言えない気持ちになった。
安堵のため息をもらしたものもいる。
 
が、数か月もすると、あのイタリア人、スペイン人たちは、話すスピードをまったく落とさずに、
ちゃんとドイツ語が話せるようになっていたのである。
(「自国語を混ぜるな」とドイツ人の先生にかなり怒られてはいたけれど。)
 
つまりね、話そうとする態度って大事ですよねってことです。
 
ちなみに、ドイツ語を話すのに、「ハイ、バーブッ!」的な人格は必要ない。と思う。
もちろん、いつでもどこでも、笑顔は有効だと思う。
けれど、それは「普通の笑顔」でいいと思う。(普通って言うのは、つまり、普通・・・だよ。)
日本人がドイツ人にアメリカ式のテンションで話しかけると、「君、(オツムは)大丈夫?」と
いう反応になると思う。あ、いや、たぶん。