妻と父

私の妻は、私の父に似ている。
いや、顔じゃなくて、性格が。
それを私は「似たもの嫁舅」と呼んでいた。
いや、父親に似た女性を選んだわけではない。
結婚してしばらくして気がついたのだ。
 
ところで、最近、私は自分の父親についてちょっと腹を立てた。
何というか、最近怒りっぽいのだ。
で、「自分の親じゃなきゃ許さんところだ」と言った。
 
それを聞いていた妻が突然聞いた。
「ねえ。私はお義父さんに似てるって言ったよね。具体的にどういうところ?」と。
がびーん。そうくるか。
思わず口ごもっていると、「自分の妻じゃなきゃ許さんとこだってことあるの?」と重ねる。
 
うわ。やば。はまった。
と、思っていたら、何にも知らない娘が来た。
「ねぇ。お母さんとおじいちゃん、性格似てるよね」と娘に振ってみると、「うん」と即答。
妻は「そう言えば、○○さん(私)は私のお母さんに似てるって言ってたよね」と
言いながら、その話は終わった。
助かったーーー。娘よ、ありがとう。
 
それから、娘が、「それにしても、自分のお父さんに似ているから結婚したんだったら、
すごすぎるよねー」と。
なわけあるかい。グーゼンだよ。