「アメとムチ」は下策

仕事がうまく行ったら報奨金を出し、いかなかったら減給したり懲罰を与えたり、
そんな方法を「アメとムチ」というなら、「アメとムチ」は下策である。
最近そういう会社が増えているとも聞くが、そんな扱いを受けて、みなさん、
やる気がみなぎっておられるのだろうか?
その会社は業績を伸ばしておられるのだろうか?
私には信じられない。
 
自分がそんな扱いを受ける側になれば、「こんな方法絶対だめ」と思う方が多い
のではないだろうか。
ところが、どういうわけか、「人を動かす立場」に立つと、実に多くの人が
「アメとムチ」を使いたくなるようだ。
なんとも不思議であるが、その理由は「他に方策を思いつかない」ということらしい。
 
正直なところ、私企業であるなら、どういう方策でやろうが(法に反しない限り)
その結果は業績として現れ、機能しない方策、あるいはそのような方策を採用した
私企業は淘汰されていくのだろうから、まあ、それはいいのだろう。
(私はヒダリの人なので、本当はあまり賛成ではないのだが、
 資本主義を採用した社会なら、それがあるべき姿だろうと思う。)
 
しかし、この「アメとムチ」を公教育に持ち込むのだけは、おやめいただきたいものである。
「教育も私企業のようにやれ」というご意見が多い昨今だが、倒産することのない、
倒産させることのできない公教育には資本主義的な淘汰は働かないからである。