お父さん塾の進行

存続が何度も危ぶまれたお父さん塾であるがはやぶさのようによみがえり、
ミッション続行中である。
 
まず、「小惑星探査機はやぶさ」を読了。1ヶ月かかった。
娘がこういう本を読みにくいと感じる理由、逆に言えば、こういう本の
読み方を思い出したような気がする。
この本では、いろいろな術語が出てくる。
そのひとつひとつにかかずらわってると先に進めないのだ。
たとえば、イオンエンジンとかスイングバイとか、あとで説明が出てくる
ものは、とにかく、そこまでがまんして読むしかない。
一方、分光的な観測とか同位体比の計測とか、(たぶん)説明のないものは、
とにかく「そんな風な何か」と推測して読むしかないのである。
「どこをまじめに読んでどこを読み飛ばすか」というのが重要で、
その呼吸をつかめないと、こういう本は読めないのだと思う。
 
関連して思い出したことがある。高校時代の友人の話だ。
彼のお母さんがマンガを読んでみて、「なかなか読めない」と言ったという。
たった1ページ読むのにもものすごく時間がかかるのだと。
不審に思った友人はお母さんの話をよくよく聞いて、やっとその理由がわかった。
友人のお母さんは、「ドドド」とか「グァン」とか、マンガの背景にある
擬音をひとつひとつしっかり読んでいたのだ。
擬音はいろいろなところに大小さまざまに描かれているので、
「見落としがないか。そして、どの順に読むのか」を考えるのにも時間が
かかっていたのだという。
友人が「そこは読まなくていいんだよ。絵の一部だと思ってね」と言っても
お母さんはなかなか納得してくれなかったと言う。
 
マンガにはマンガの読み方がある。
啓蒙技術書にも読み方があるのだ。