普通の勉強と受験勉強 最終回

受験勉強は、頭を良くするためにも有効だが、それだけではいけない。
というのが前回の結論だった。
 
で、どうすればいいか、ということを抽象的に論じても仕方がないと思うので、
我が家に適用することを前提に具体的に論じたい。
(もし、参考にされる方がいるなら、それぞれのご家庭に合わせて
 アジャストされるとよいかと思います。)
 
要するに、受験勉強の前に十分普通の勉強をしておかなければならないと思うのだ。
それで、我が家では、以下のようにしようと思う。
(実際、息子の中学時代は、強く意図したわけではないが、そんな風になったと思う。)
 
・中学1、2年は、普通の勉強が主
・中学3年は、受験勉強が主
(高校生の場合なら、上の「中学」を「高校」に変えればよい。)
 
受験勉強は、受験塾にお任せしたい。
したがって、(私にとって)重要なことは、1、2年次の家庭における非受験勉強と
いうことになる。
普通の勉強(非受験勉強)とは、受験勉強の逆をやればいい。
つまり、
 
 ・範囲を決めない。
 ・期限をつけない。
  
である。
しかし、残念ながら、これは、論理的におかしい。
特に、「期限をつけない」と言うのは、「1、2年次に終わらせる」という前提と
矛盾してしまうからだ。
範囲についても、「アニメの研究」なんかまで「勉強」に含めてしまうと、、、
いや、本来はそれでもいいはずだが、やはり、親としては困る。
 
そもそも、厳密に言えば、「範囲がない」「期限がない」ものなんか、この世には
存在しないだろう。
私が思う「普通の勉強」とは、厳密に言うならば、
 
 ・受験の範囲にこだわらない。
 ・期限はあっても極力意識させない。
 
ということになる。
「期限はあっても極力意識させない」とは、期限はあるのだが、それを前面には
出さないということだ。
 
で、「具体的にどうするか」は、各科目によって異なる。
それはちゃんと考えるつもりだが、このエントリーでは無理だろう。
 
ただ、私のイメージを言っておくと、それは、「のこぎりの練習」のようなものだ。
子供にのこぎりを与え、使ってみせ、使わせてみる。
そして、なっとくがいくまで、いろいろな木を切らせてみるのである。
ここで、「のこぎり」は、「思考法」のことである。
また、「いろいろな木」とは、「いろいろな問題」ということである。
それは、具体的には、「問題集の問題」のことである。
私が特に有用だと思う「問題集の問題」は、「入試問題」である。
 
これは、「普通の勉強」の題材に、受験勉強の題材を使うということである。
これだと、「普通の勉強」が、うっかり受験勉強になってしまいそうでもある。
しかし、それはだめだと前回書いた。
そうならないようにするには、つまり、「受験の範囲にこだわらない」
「期限はあっても極力意識させない」を実行するということなのである。
 
たとえば、数学の場合なら、
 
 1 解けそうな問題を与える。
 (実は、ここで、親が範囲を決めていることになる。
  しかし、あらかじめ「解けそうな問題」を選ぶことで、
  「範囲を押し付けられた」感を持たせないようにしたい。
  もちろん、解き方も、自由である。)
 2 時間をゆったり取って考えさせる。
 (「永遠に考えてよい」とは言えない。
  だから、期限はやっぱりある。
  しかし、あたかも期限がないかのごとく、、、は、無理かな。
  それでも、ゆっくり考える時間を持たせたい。)
 3 その問題に関連することをいろいろに考えさせる。
 
なお、「受験の範囲にこだわらない」ということは、「普通の勉強」の範囲が
受験の出題範囲を超えることもあり得るということだ。
「受験の範囲を超えても好きなことを勉強する」と言うと、ずいぶんとかっこいい。
が、別の側面もある。
それは、「受験の出題範囲のすべてをカバーしなくてもよい」ということだ。
実際には、こっちが大きいだろう。
なにしろ、受験勉強ではないのだから。
 
それなら、問題集の問題、特に、入試問題を使うのはなぜか?
もちろん、受験勉強にスムーズに移行するための(腹黒い?)布石ではある(笑)。
しかしまた、入試問題は、基本的に良問だからである。
(考えてみれば、良問でないはずが、ない。)
 
しかし、受験の出題範囲のすべてをカバーしなくてもよいのだから、
たとえば、「志望校の入試問題をすべてを網羅的に解く」なんてことは考えていない。
いろいろな入試問題の中から、おもしろそうなものだけを選んで、ゆっくり楽しもう、
というだけのことだ。
もちろん、やってみたらどんどん進んじゃって、結局、全範囲やっちゃった、
というなら、それはそれでよい。というか、すばらしいことだ。
だが、無理してそんなことを目指してはいけないと思うわけである。
 
終了。
具体的にどうするかは、科目ごとに考えたい。