家庭における数学学習法4

別に人様に教えるほどえらい人間ではないのだが、自分の考えをまとめるために。
(それと、もし、誰か読んでいたら、その方のご参考のためにも。)
 
結局、私が良いと思う数学学習法は、
「はじめは、ノコギリやトンカチの使い方を学ぶように、定理や考え方を学ぶ」
ということである。そして、
「使い方を覚えたノコギリやトンカチで何かを作ってみるように、
 覚えた定理や考え方で問題を解いてみて、学んでいく」
に続くことになる。
 
特に重要だと思うのは、前者、つまり、ノコギリやトンカチの使い方を覚えるように、
定理や考え方を学ぶところである。
そのためには、まずやさしい問題を、心ゆくまで解いてみればよいと思う。
ノコギリで気が済むまで板を切ってみたり、トンカチで何本も釘を打ってみるの
と同じことである。
 
具体的にどんな問題で練習すればいい? → とにかく、やさしい問題で。
いきなり「家を建てよう」などとせず、まずは、板を切る練習、釘を打つ練習である。
いつまで? → 心ゆくまで。
1題解いて「もう十分」と思えば十分なのだろうと思うし、何十題も解かなければ
十分とは感じられないかもしれない。それは、人それぞれだろう。
 
前にも書いたが、実は、市販の参考書や問題集は、たいてい「例題、例題の解法、
多数の類題」の順に書かれていて、しかも、やさしいものからまとめられている。
と言うことは、市販の参考書や問題集をやれば、結局、私が主張する学習法になって
しまうのではないだろうか?
と言うと、その通りなのである。
「世の中に、魔法の方法はない」が私の主張だ。
 
が、同じ教材をやるにしても、心構えが違うと、効果も違うと思う。
それに、教材にも、やっぱりいろいろある。
その中で、自分の子供(や生徒)に一番良いものを選ばなければならないのだが、
それも、「心構え」から選べる。
 
で、「一番良い教材」は、個人個人によって違うはずだ。
しかしそれで終わらせると、話があまりに抽象的なので、我が家の場合を書きたい。
あくまで、参考までに。
(バリエーションもカッコ内に書くことにします。これも、あくまで、参考までに。)
 
まず、「ノコギリやトンカチの練習」である。
そのために、私は、「基本練習用の問題集」を買う。その基準は
 
 ・解説が少ないもの
  (数学は私が教えられるので。
   親御さんがあまり得意でない場合(すみません)は、解説の多いものが
   よいかもしれません。良書はたくさん出ています。
   ただ、子どもが自分で数学の解説を読むのは大変なので、一緒に読んであげ、
   一緒に悩んであげる(すみません)のがよいかと思います。
   私は、自分が苦手な科目ではそうしています。)
 ・同じような類題がなるべくたくさんならんでいるもの
  (必ずしも全部やらせるわけではありません。
   ただ、たくさんあった方が、取捨選択もでき、役に立ちそうだからです。
   もちろん、少数精鋭型でもよいかと思います。)
 ・形式より実用重視なもの
  (数学において形式は極めて重要だと思いますが、今話しているのは、
   しょせんは練習用ですので。
   これも、もちろん、好みによって、形式重視でもよいと思います。)
 ・その上で、薄いもの
  (「類題数が多い」と矛盾します?
    でも、終わらせて達成感を味わわせてあげたいので、私は薄いのを選びます。
    厚いものも購入してありますが、これは、ピンポイント的に使ってます。)
 
である。
 
応用練習は、基本練習が終わってからだが、これは、日曜大工のアナロジーでは
「ノコギリやトンカチの使い方もわかってきたので、簡単なイスでも作ってみるか」
という段階の練習に相当する。それには、
 
 ・入試過去問題集
  (え?何?結局、受験の話?
   はい、そうです。が、そうでもありません。
   いずれにしても、入試問題は、おもしろいですし、迫力も違います。
   ただ、まったく解けない段階では控えた方がいいでしょう。)  
 
を使いたい。
 
過去問題集には、高校別のものと分野別(したがって、複数の高校を横断する)
のものがある。これは、状況に応じて使い分けるべきだろう。
ただし、実際には、受験塾とのかねあいになる。
息子の場合、私と勉強していた時は、少しずつ過去問を選んで解いていたが、
塾に入ってからは、塾任せになった。
(「勝手に過去問をやるな」というお達しすらあった様子。)
 
それでは、どんな心構えで、これらの問題集をどう使うかは、次回に。