勉強に必要な資質 最終回

「順調コース」と「行ったり来たりコース」。
 
私が言いたいことは、「行ったり来たりコース」は、誰にでも
(天才を除く)起こりうるし、むしろ、普通だろうということだ。
勉強には、4つのフェーズがあると書いたが、進展具合でわけると、
「順調コース」と「行ったり来たりコース」の2コースがあり、
どちらになっても驚くには当たらないということである。
 
もし、「自分は、あまり、行ったり来たりコースにはまらない」と
感じるなら、それは以下のうちのどれかだと思う。
 
・天才
・運が良い
・うまい方法を知っている(後述)
・指導者(先生)が良い
 
子供の場合なら、かなりの確率で、「指導者が良い」だと思う。
(もちろん、その上で、本人が努力しているわけだが。)
指導者がいない大人の場合、よほどのことがない限り、普通は、
「行ったり来たりコース」に陥ることになると思う。
 
それで、ようやく本題の「勉強に必要な資質」である。
「順調コース」をやりぬくのに必要な資質は、「地道に努力する」
能力だと思う。まあ、これは、基本だろう。
一方、「行ったり来たりコース」は、いずれは、
抜けなければならないコースだ。
(だって、いつまでもその状態でいるわけにはいかないでしょ。)
そのために必要な資質は、「頭の中がとっちらかった状態から
復帰する能力」ということになるだろうか。
が、私は、「頭の中がとっちらかった状態から復帰する能力」
以前に、「頭の中がとっちらかった状態に耐える能力」が必要なの
ではないかと思う。
耐えられなければ、対処できないから。
また、耐えられれば、いずれ出口は見つかるだろうと思う。
 
まとめると、私が思う「勉強に必要な資質」とは、
 
 ・地道に考える能力
 ・思考がとっちらかっても耐える能力
 
ということになる。
どちらか一方の資質のみでは足りないと思うのだ。
興味深いのは、これら2つの資質は、矛盾するものではないが、
通常、必ずしも合い携えるものでもない、ということだ。
ことほどさように、指導者のいない勉強は、大変なのである。
 
ということで、言いたいことは、だいたい言い切った。
いつものように、たいした話ではない。
が、あと、少しだけ、「行ったり来たりコース対策」について。
 
まず、子供の場合。
子供が「行ったり来たりコース」にはまったら、はやく抜け
させてあげないと、勉強そのものをやめてしまうかもしれない。
(個性にもよるだろうが。)
ただし、抜け方は比較的簡単だと思う。
「先生に相談して、言うことを聞く」である。
元先生として言わせてもらうと、子供の学習が困難になるのは、
十中八九、基礎力不足であり、多少つらくても、基礎力を
身につけなければ、いずれ先に進めなくなると思う。
そして、その子に、基礎の何が足りないか、一番よくわかっている
のは、たぶん、(親でなければ)先生だ。
よい先生なら、「行ったり来たりコース」をたちどころに、
「(つらいけれど)順調コース」に変換してくれると思う。
(つまり、「どこをどういう順番でどのように復習すべきか」
 を教えてくれる、ということだ。)
この場合は、ただ「つらいけれど」にガマンできるかだろう。
逆に言うと、「行ったり来たりコース」抜けを、
子ども自身の努力だけに任せるのは、疑問に思う。
 
大人の場合。
「行ったり来たりコース」にはまったら、はやく抜けた方がよい・・・
か、どうかはわからない。むしろ、喜ばしいことかもしれない。
が、いずれは抜けたい。
指導者がいれば、大人も子供と同じだ。
指導者がいない大人なら、だからこそ、それをどう乗り切るか、
あるいは、そもそもどうすれば、そうならないか、自分で工夫する
しかないのだろう。
(そういう対策を持っている場合が、
 上記の「うまい方法を知っている」である。)
 
終了っす。
 
「うまい方法」を見つけることは難しい。
また、個人個人のものなので、人の話を聞いても参考にしかならない
だろうと思う。
私は、語るほどの者ではない。
が、あとで、ちょっとまとめてはみたい。
あくまで、参考までに。