勉強に必要な資質2

勉強には、創出、伸展、強化、変更の4つのフェーズがある。と書いてきた。
これは、私の論の基本だ。
 
まず、少し、大人が勉強するときの話をしたい。
新しいことを勉強し始めるとき、最初にぶち当たるのは、当然、創出である。
それを抜けると、伸展と強化がある・・・と期待するだろう。
普通に言うと、「ようやく何をやってるか、つかめたぞ。さあ、次は、
例題でもやって、ちゃんと理解してるか、覚えているか確かめよう」
という時期になるということだ。
 
(ちなみに、本人がどう思っていても、「解説の直後にある例題」は、
 「強化」であると思う。その「例題」の名前が、ただの「例題」
 (数学書なんか)であれ、「基礎力チェック」(資格本なんか)であれ、
 「本番の問題を試してみよう」(英検本なんか)であれ。)
 
しかし、大人、少なくとも私は、勉強していると、
「え?○○がわかったと思ったら、次は、△△?何それ?」の連続になる
ことが多い。(多少の「例題」があってもなくても。)
つまり、教科書を読んでいて、新しい章・新しい節に入るたびに、
「何がなんだかわからない状態」に再突入し、また(小さな)創出が
必要になったりすることが多いのだ。
 
はじめに、勉強には、創出、伸展、強化、変更の4つのフェーズがあると書いた。
私は、これらのフェーズが、そのような順番で遷移していくことが、
一番自然で、また、「楽」だと思う。
しかし、どうも、実際には、なかなかそうならないようだ。
それは、たとえば、
「創出→創出→変更→創出→変更→・・・で、いつになったら伸展・強化?」
みたいな順番が要求されることがよくあるということである。
(ただし、本当にそうかどうかには、議論の余地がある。それは、次回以降で。)
  
で、実は、これは、子供でも、同じなのではないかと思う。
すぐれた指導者は、「創出→伸展・強化、ごくたまに変更」となるように
うまく調節するだろし、実際、そうなるケースも多いかもしれないが、
本質は、同じではないだろうか。
 
続く。