ゆとり教育と競争2

学校で、「競争」について、教えるべきことってなんだろうか。私は、
 
・強い心と誠実な努力が最大の武器である。
・自分の特性を知ろう。
・緊張しても、混乱しても、前向きの心を持ち続けていれば大丈夫。
・何度負けても別のチャンスがある。
・勝つまでやれば、「負け」にはならない。
・でも、目の前にあるそのチャンスは人生に1度きりのチャンスだ。
・「ここぞ」という時に本気の力を出せ。
・弱者や敗者への思いやりを忘れてはならない。
 
ということではないかと思う。
私は、そのようなことを、学校で学んだと思う。
人によってバリエーションはあるだろうが、多くの人が賛成してくれる
のではないだろうか。
 
私の主張は、「学校ではそのように言ってきかせるべき」ということではなく、
「学校の中の競争の中で、実感として学ばせるべきだ」ということなのである。
理屈をいくら言って聞かせても意味はないと思う。
たとえば、「敗者への思いやり」なんて、自分が負けてくやしい思いを
していなければ、持てないものだろう。
 
もう1つ主張したいことは、「競争」を教えるのに、その一部だけを抜き出しては
いけないだろう、ということだ。
たとえば、上記の一部を抜き出して書いてみよう。
 
・自分の特性を知ろう。
・(何度負けても)別のチャンスがある。
・「ここぞ」という時に本気の力を出せ。
・弱者や敗者への思いやりを忘れてはならない。
 
こう書くと、いかにも、ゆとり教育なテーゼに聞こえる。
(違っていたらごめんなさい)
実際の競争をさせてもらえず、上記のような「競争の一面」のみをお題目と
して唱えられ続けたなら、「ここぞ」というときに本気を出せない人に
なってしまうのではないだろうか。
だって、「ここぞ」が来なければ本気を出さなくていいのだし、それなら、
そういう人には、永遠に「ここぞ」が来ないかもしれないのだから。
 
そして、そのような教育は、「うまいことをやった奴が勝つ」などという
実に非現実的な人生訓にとても近いものだと思う。