伸展と強化について7

前回の文を読み直すと、「私の考えた成績上昇スパイラルがいい」と言っている
ようにも読める。が、そういう意味ではなく、言いたかったことは、
 
・成績が上がっていくスパイラルがある。
 (「成績」などという「小さなもの」ではなく、「学問」でも同じだと思う。)
・そのような成績上昇スパイラルにはいろいろなパターンがある。
・それは「覚える」「考える」「理解する」「好きになる」の組み合わせである。
・「好き」からスタートできればすばらしい。
・しかし、「好き」からスタートできなくても、心配するにはおよばない。
・人は、自分のパターンを見出すべきである。
・たとえば、「少し理解する→少し好きになる→少し覚える」を繰り返すスパイラルがある。
・これは、「少し覚える」が「少し理解できる」につながるからである。
 
などということだった。
 
(なお、私は、初心者の場合、はじめの「理解する」に重点を置きすぎては
 いけないと、常々主張している。
 指導者が、はじめから「理解しろっ!理解しなければ意味がないっ!」なんて
 言っていては、たぶん、それを好きになれないはずだからだ。
 はじめは、本当に、わずかな理解でよいと思う。
 「思い過ごしも恋のうち」みたいなものである。)
 
そして、そのスパイラルの中にある、「少し覚える→少し理解できる」という
パターンが、特に今回のエントリーに関係しているのだ。
 
このエントリーの目的は、
 
 伸展期(単純に知識を増やす時期)の問題=覚えられない・飽きちゃう
 
をどうやって解決するかだった。
その対処法として、私が推奨したいのは、つまり、
 
 ちょっと覚える→より理解できる
 
というパターンを意図的に利用するということだ。
 
実際のところ、このパターンは、意図しなくても自然に起こることだと思う。
(自然に起こらないことを無理に起こし続けることは、難しい。
 大抵の場合、そんなことはしない方がよいと思う。)
しかし、「絶対、どんな場合でも、誰にでも起こる」というものでもない。
これが自然に起こった場合、その人の勉強は進み、成績は向上するだろう。
起こらなかった場合、その人はその勉強に飽きちゃって先に進めなくなる
ことが多いと思う。
 
これは、自然現象であり、まあ、その人の資質だから、しかたがない。
・・・とは、言いたくないし、実際、そうは思わないのである。
 
いや、確かに、資質のある人はいるだろう。しかし、それはそれ。
上記のようなパターンがあることを認識し、自然に起こらなければ、意志の力で
起こすことを考えるべきではないだろうか。
そして、それは、もともと自然なことだから、一度起こすことに成功すれば、
あとは、比較的楽に(できれば、楽しく)持続できることだと思うのだ。
 
続く。