「できるようになる」について 最終回

それでは、「数学ができるようになる」にはどうしたらよいか。
(これは「数学の成績が上がる」という意味ではなくて、
 「数学を勉強し始めることができる」「はじめに躓かない」という意味。)
それは、これまで考えてきたことを「数学」にあてはめるだけだろう。
 
・数学でも基礎体力は重要である。
 数学の基礎体力はまず計算力。
 それから、「一度終わったところ」に習熟することが、次の分野の基礎体力になる。
 ここで、「理解」と「習熟」の区別は重要だと思う。
 「理解」だけでは、基礎体力にならないだろう。
 
・それでも、基礎体力だけでは足りない。
・コツをつかむことが必要である。
 この「コツ」とは、「スタート点からスタートを切るための理解」のことで、
 「数学のすべてを理解する」とか「補助線のうまい引き方を知る」などのことではない。
 ずばり言えば、「なあんだ。数学ってこういうものか」という「理解」だ。
 (繰り返すが、これは、「スタートを切るための(とっかかりの)理解」であって、
  数学者のような深い「理解」のことではない。)
 これが得られれば、数学は、逆上がりのように、爽快で楽しくなる。はず。
 その「理解」を得る第一歩は、「そのようなものがある」と認識することだと思う。
 このエントリーを書いた理由はそこにある。
 
・コツは教わったり、できる人を見ることで学ぶことができる。
 しかし、これは、数学(思考系の科目)の難しいところである。
 方程式を解くとか、何かを証明するとか、できる人が数学をやっているところ
 を見ても、本当は、それは、その人が「数学をやっているところ」ではなく、
 「数学をやった結果を見せているところ」でしかない。
 ただし、「結果」であっても見ることは重要。
 「数学をやった結果」を見て、「数学をやっているところ」を想像できたらすごい。
 
・恐怖がコツをつかむ邪魔をすることがある。
・環境が整っていないとコツはつかみにくい。
・実際にできる人がそばにいることが一番「良い環境」。
 これらは、どんなものでもそう言えると思う。
 学生の場合、自分は最高の環境にいると認識するべきだ。
 「数学ができる人」は、必ず、いる。数学の先生だ。
 私のような社会人になると、ちょっと難しい。
 その場合、「本」から、その著者に学ぶしかないのだろう。
 
以上で、終了っす。