現代っ子

私たちは、かつて、そう呼ばれた。
と、娘に話したところ、自分たちも「現代っ子」と呼ばれるという。
え?そうなの?
私は、我が国開闢以来、「現代っ子」と呼ばれたのは、後にも先にも
自分たちだけだと思っていた。
(後の人たちは、長じて、新人類だの宇宙人だのと呼ばれていた。)
娘は、「だって、大昔でも、そのときは現代でしょ」と論理的な
ことを言う。
「でもね。お父さんが子供の頃、現代っ子って言葉には特別な意味が
 あったんだよ」と言ってみた。
当時、現代っ子とは、「科学に明るく、いつまでもくよくよしない、
世界指向、未来指向な子供」という意味だったと思う。
あれ?違います?(考えてみると、それは、鉄腕アトムのイメージかな。)
すると、娘は、「今の現代っ子はね。いつも、ゲームや携帯をいじってる
子供ってイメージ。だから、私は、現代っ子ってよばれたくない」。
なるほど〜。
 
私が子供の頃、「現代っ子」という言葉が否定的に使われることもあった。
現代っ子はひよわだ」とか「現代っ子はナイフも使えない」とか。
あー、はいはい、その通りですよ。
しかし、肯定的に使われることの方が多かったように思う。
「さすがは現代っ子だ」とか「やっぱり現代っ子はすごいな」とか。
そう言われると、なんだか、やる気が出たような気がする。
(あ、そうそう、当然、戦後民主主義な子供たちでもあった。)
 
今の子供はどうなんだろうか。
子供たちを肯定してやりたい。