私家版・子供のための国語勉強法5

高田瑞穂先生の「新釈 現代文」(p31)には、
 
 問題意識とはつまり知識のことになります。
 
とある。(なんてすばらしいんだ!)
そして、現代文を理解するためには、現代思想を理解しなければならない
とし、現代思想の根底には、ヨーロッパの近代思想がある、それは、
 
 人間主義ヒューマニズム)、合理主義、人格主義
 
という3つの柱に支えられている、と述べている。
当時16、17歳だった私は、いたく感動した。
(そして、倫社の授業まで取ってしまった。国語のためだけに。)
 
このような「現代思想の根底」が、たかだか数十年で変わることはない
と思われるので、上記の指摘は、今でも極めて意義深いものだと思う。
 
しかし、やはり、世の中がかなり変わってきたことも事実だと思う。
たとえば、昔の私(たち)は、人間主義、合理主義、人格主義と言われて、
「はは〜っ」と平伏したものだが、今の若者はどうだろうか。
昔の私たちも今の若者も、「若者は何も知らない」と言えばその通りかも
しれないが、若者は「その時代の雰囲気」を感じ取ってもいる。
だから、人間主義うんぬんに若者が興味を示さないとしたら、それは、
それが現代の1つの相を表しているのだろう。
 
私は、そういう現代が理解できないでいる。
 
続く。