数学の日々

最近、子供の教育より、自分の教育話が多い。まあ、いいか。
ただ、読みたい数学の本が、そろそろ発散してきて、収拾がつかなくなりそう。
選ばなきゃな。
 
今、ちろっと読んで面白いのは、「線型代数学 マリツェフ著」。
30年前に、最初の2、3章だけ読んだんだった。
そのとき、ものすごく読みにくいと思った。
「ものすごく当たり前のことがだらだら証明されていて、難しいことは証明なしで
使われている」と感じたからだ。
「ものすごく当たり前のこと」とは、たとえば、「有限次元ベクトル空間の次元は
一定である」など。「難しいこと」とは、たとえば、行列式のあれこれ。
しかし、今読んでみると、18歳の自分は、なんと幼かったかと思う。
上記の本で使われている行列式の公式なんか、ちょっと調べればどこにでもある。
有限次元ベクトル空間の次元は、、、あ、これも、どこにでもありますね。もちろん。
でも、この話は、とても深くて、決して「当たり前のこと」ではない。と思う。
しかし、そういうことは、なかなかわからないのだ。
 
と言うか、本当を言うと、今でもわかっていない。
上記の定理が自明でないことはわかる。また、その証明もおもしろい。
ただ、こういう定理の、おもしろい適用例というものを見てみたい。
(まあ、「代数入門」では、決定的な役割を果たしていたけれど。)
具体例を知らなければ、わかったとは言えないだろう。
 
ついでに言うと、「代数入門」で読んだ、ヒルベルトの基底定理ってやつ。
当時の大家が、「これは数学ではない神学だ」と言ったとか。
えーえー、気持ちわかりますぜ。私は、下っ端ですが。
ま、実際のところ、美しい定理だと思う。
しかし、やっぱり、具体的な適用例が見たい。
そんな風に思うのは、私が、素人だから?