割合の話

妻が、こんな話をしてきた。
「次郎さんの所持金は2400円で、太郎さんの所持金の40%です。
 太郎さんはいくら持っているでしょう」
という問題を、娘は、教科書にある公式にしたがって解こうとしていたという。
しかし、「どうして2400÷0.4で答が出るか」が、わかってないようだったと言う。
そこで、泣くまで問い詰めたらしい。
妻の話というのは、いたいけな娘を追い詰めてしまったという反省の弁ではなく、
「公式は理解して使用すべし」という話だった。
私は、心の中で以下のように考えた。
 
「それかなり難しい問題でしょ?
 だいたい、理解するまで公式を使っちゃいけないっていうのは、間違った
 ゆとり教育的主張だよね。
 その問題は、公式を使わせて、慣れさせてから、説明した方がよいと思うよ。
 それにしても、なんで、私に?
 いつも私のことを、『教えすぎ』と言っているのに、これは私に教えろと?」
 
が、気の弱い私は、そんなことは言えず、
 
「じゃ、○○(妻)は説明できるの?」
 
と言ったところ、ハッとしたように考え込んだ。
「いや、それはさ。100人に1人くらいしか即答できない問題だと思うよ」
とフォローを入れると、うらめしそうな顔で、
「自分が、その100人に1人って言いたいのね」