ゆとり教育と学力低下

私は徹底的に(?)ゆとり教育に反対しているが、ゆとり教育学力低下の最大
の原因だとは思わない。
むしろ、ゆとり教育は、学力低下のマイナーな原因か、そもそもある学力低下
傾向を助長したに過ぎないと思う。
 
ゆとり教育は、授業時間数を減らし、また、授業の内容を薄めてしまった。
簡単に言うと、「授業の価値」を下げてしまったのだと思う。
「授業価値の低下」は、直接的に子供たちの知識を減らすより、結果的に「学びへ
の意欲」をそぐことで、学力低下を助長したと考えられる。
しかし、学力の低下そのものは、ゆとり教育が引き起こしたこととは思えない。
 
最近は、多くの人がゆとり教育を批判し、ゆとり教育もそろそろ終了するようである。
しかし、ゆとり教育をやめても、子供たちの学力の向上は望めないと思うのだ。
実際、もし、子供たちの学力を向上させる「方法」はないかと問われれば、私なら、
次のように答えたい。
 
 1.小中学生のゲーム・ネットワーク・携帯電話を禁止する
 2.すべての親は子供に「先生の言うことを聞きなさい」と言う
 3.世の中の二極化を阻止し、ふたたび、一億総中流の意識を持つ
 
えーと。要するに、事実上不可能だと思うのだ。
 
さて、ゆとり教育をやめて、それでも子供たちの学力が上がらなかった場合に何が
起こるのか、おそろしくて考えることができない。