先取り学習vs先行体験4

この辺で先行体験の話をしたい。
 
先行体験とは、学校で習うことに関連したことを、先に「体験」しておく
(体験させておく)ことだ。1例を挙げると、
 
 お母さんがケーキを切るときに、たとえば、6つ切りにし、子供たちに
 「この1切れを全体の6分の1と言うのよ」などと教える
 
というようなものだ。
こんな体験があれば、子供は、学校で分数を学ぶ前に、分数の考え方に触れたことに
なり、学校で分数を習うときには、すんなり理解できるようになるだろう。
(すみません。このケーキの話の原典がわからなくなりました。
 ただ、同様のことは、多くの先生方が言及されていたように思います。
 また、吉本笑子先生のホームページに、具体的で有用な例がいくつかあります。
 「吉本笑子 先行体験」で検索すれば、すぐに出てきます。)
 
この方法は、本当にすばらしいと思う。
このような「先行体験」なら、「成長の段階を無視する」可能性は極めて少ない
だろうし、また、学校で習うための準備のようなものなので、学校の価値を下げる
こともないだろう。
つまり、私が「先取り学習」に関して抱く危惧がほとんどないわけだ。
日本中の(世界中の)親御さんたちに、ぜひ、実施を検討していただきたい。
 
ただし、「困ったこと」と「疑問」もある。それは、
 
 1.そんなにネタを思いつけない
 2.小学校高学年以上にも有効だろうか
 
だ。
上記の吉本先生のページや、(吉本先生を含む)いろいろな先生方の御著書に多くの
具体例がある(と思う)。それらはとても参考になる。
しかし、日常生活の中で、うまい「先行体験」を演出する(当然、親が演出するわけ
ですよね)のは、決して簡単ではない。演出しやすいネタは、当然、限られるのでは
ないだろうか。
また、上のケーキの例が有効なのは、分数を習う前の小学生だ。
このような「先行体験」を、小学校高学年以上の子供に与えることはできるのだろうか。
たとえば、「二次方程式の先行体験」などは、あり得るだろうか?
 
続く。