先取り学習vs先行体験3

前回書いた「先取り学習の問題点」のうち、特に後者(より重要な方)は、
裏を返せば、「学校(というシステム)の問題点」でもある。
そもそも、学校教育が充実していて塾など必要がないのなら、こんな問題は
起こらないのだ。
しかし、ここで言いたい事は(私のブログでは大抵そうだが)、塾が悪いとか、
学校が悪いとか、誰が悪いという話ではない。
(あえて言えば、誰も悪くないと思う。
 みんな、より良いシステムやより良い人生を求めて戦っているだけだ。)
誰が悪かろうが、悪くなかろうが、今の小中学校においては、「学校をやめる」
というチョイスが、ほぼない以上、「学校の存在を否定するような教育」は、
子供に強い悪影響を与えるだろうという話だ。
現在の日本の教育システムを作り変え、より問題の少ないものにするには
どうすればよいか、などという話はしていない。
私は、現状のシステムを生き延びる方策を模索しているのに過ぎない。
それこそが、私の話の主題だ。
 
・・・・・・・
 
ところで、ここまで「先取り学習の問題」を書いていて、ナンなのだが、実は、
私は、自分の子供たちに、「事実上の数学に関する先取り学習」をさせている。
(「事実上の」なんていれた理由は、多少言い訳じみてもいるが、後ほど、
 別の「雑談」で説明したい。)
 
サッカーが好きな子がいるように、数学(数学的な考え方)が好きな子もいる。
サッカーが好きな子がサッカーの練習をするように、数学の好きな子は数学の
勉強をする。あるいは、サッカーの好きな親が自分の子供にサッカーの練習を
させるように、数学の好きな親は自分の子供に数学の勉強をさせる。
そういうものではないだろうか。
私はかつての数学少年であり、今は、子供に数学の勉強をさせるバカ親なのだ。
子供たちにもやる気はある。
だから、せっかく勉強する気がある若い時期を逃したくはなかったのだ。
もちろん、「子供の成長に合わせること」、また、「学校を否定しないこと」
には、最大の注意を払っている。しかし、それは難しいことでもある。
だから、こんな「雑談」を書いて、自分の頭を整理しているのだ。
(「学校を否定しないように注意している」と書くと、「ハラの中では学校を
 バカにしているのか」と言われそうですが、何度も書いているように、そんな
 気持ちはありません。私は「私の論理」を展開しているだけなのです。)
 
(なお、言い訳ではないのですが、小学校では、なるべく先取り学習にならない
 ように工夫したつもりではあります。算数の授業で教わることは教えず、
 かわりに、負の数とか関数とか「数学の概念」を教えていました。その結果、
 ウチの子たちは、たとえば、小数も分数も知らないうちに、負の数をおぼえ
 させられたわけです。
 しかし、その工夫にも限界があります。
 また、いずれにしても、中学校の数学は、先取り学習をしたことになりますね。)