文学と数学

実家に行ってきた。
 
実家には、(すべてではないが)文学全集がある。
私が高校時代、「読みたい」と思った巻を、親にねだってまとめ買いしてもらったものだ。
当時、かなりの値段であることはわかっていた。
おそらくは、値段的な問題で、少々引き気味だった親を、拝み倒したのだ。
しかし、買ってもらって少し読んだあたりで、大学受験が忙しくなり、「じゃあ、大学に
入ってから読むか」なんて、思ったのだが、うやむやになり、結局、読んでいない。
高校生にもなって高価な本をたくさん買ってもらい、しかも、それをあっさり無にして
しまったことは、慙愧の念に堪えない。
(そんなわがまま許してくれていたことに、感謝もしている。)
 
最近、「子供たちに文学を」ということから、「しめしめ。あの全集がやっと役に立つぞ」と
思ったのである。しかし、再びアイマミエタ文学全集は、盛大にいかめしく、やっぱり持って
来るのをやめてしまった。
子供たちがもう少し大きくなってからじゃなきゃ、無理だろうということで。
 
で、その代わりでもないのだが、これまた買っただけで読んでいなかった岩波基礎数学
シリーズなんかを、持ってきてしまった。
ほんの数冊なのに、妻が、「これをどこに置くの?」なんて言うから、まだ車に積んである。