子供が勉強を嫌がる?2

結局、私が言いたいことは、「子供は勉強が好きなはずだが、同時に、勉強を嫌がることもある。
それは、自然の摂理であって、そのことで子供を責めても何も生まれない」ということだ。
子供が勉強をしたくなくなるのは、「長期的な疲労」のようなものであり、対策が必要なのだ。
 
では、子供が勉強を嫌がったら、どうすればよいのだろうか?
「勉強がしたくなるまでほっておく」という方針もあるだろう。
しかし、「子供は自分で進んで勉強をするようになるまでは、なんらかの強制で勉強させたほうがよい」
という意見も聞く。その根拠はあいまいだが、私もそのように感じる。
ということで、「勉強を嫌がってもやらせる」という方針でいきたい。
 
問題は、それをどのようにすればよいかだ。
筋肉(トレーニング)のアナロジーによれば、次の3つの方法しか思いつかない。
 
 1.強制を続ける
 2.休息をさせる
 3.モチベーションを高める
 
順番に考えていこう。
以下はすべて「考察」にすぎない。子供を使って実験など決してできないからだ。
 
1.強制を続ける
強制を続けると言っても、本当に「休息なし」で勉強させようとするのは、論外だと思う。
(子供の気持ちが壊れてしまったら、なんのための勉強だかわからない。
 そうなるくらいなら、いつも0点でも、楽しく生きてほしい。)
ここで言う「強制を続ける」は、「休息を取らせながら続けさせる」という方法だ。
たとえば、これまでさせていたドリルを一日おきにするとか、その量を半分にする、などだ。
しかし、この場合、これが「休息」になるかどうか、見極めるべきだ。
もちろん、勉強を嫌がらなくなったなら、大成功。あとは、様子を見ながら進めていけばよいはず。
しかし、「勉強を嫌がる」という状態が続くなら、休めていないということであり、
その場合は、さらに休息を増やすか、完全休息に移行すべきだろう。
 
2.休息をさせる
子供を「慢性疲労」のような状態にしてはいけない。
だから、休ませたほうがよいときは、スパッと休ませるべきだろう。
しかし、何日も完全な休息(「勉強なし」の状態)を続けると、その後が不安である。
何よりもこわいのは、「勉強の習慣」が完全に失われることだ。
また、休んでいた間の時間は、永遠に失われることになる。
それは、結局、その子に取って、取り返せない時間ということだ。
だから、個人的には、「完全休息」は、最後の手段(もちろん、最後には使う手段)だと思う。
(なお、「勉強したくない」という状態がずっと続くなら、それは、もう勉強なんか
 やめたほうがよいということだと思う。)
 
3.モチベーションを高める
何よりもモチベーションが重要だと思う。
モチベーションがあがれば、休息なしで、やる気を取り戻すこともあるだろう。
(それは、つまり、その程度の「疲労」だったということだが。
 もちろん、講話をして、「さあ、これでやる気が出たはずだ。さあ、勉強の続きだ」と、
 子供の本当の気持ちを考えずに強制だけ続けるのは論外だ。)
しかし、である。
この「モチベーションを持たせる方法」には、注意が必要だと思う。
たとえば、「勉強は、子供時代にしなければならない苦行のひとつ。がんばって乗り越えれば、
よい学校に入れ、その結果、あとあと幸せになれる(可能性が上がる)」という話をする人もいるが、
本当にそうだろうか。確かに、そういう側面はある。それは否定できない。
しかし、勉強がそれだけのものなら、子供はあまり勉強したいと思わないのではないか。
(たとえば、子供時代、正座で長く座っていられる人が将来、「よい会社」に入れる、としよう。
 その正座に、「苦痛に耐える訓練」以外の意味がないのなら、あまり多くの人はやらないのではないか。
 まして、「よい会社」に入る以外にも、多くの幸せになる道が示されている場合は、特に。)
本当に有効な、そして、意味のある「勉強に対するモチベーション」は、「勉強そのもののおもしろさ」
から来るものだと思う。
「将来どうなるこうなる」ではなく、今、勉強をしていて楽しいと思えることが重要だ。
もちろん、それは、言うは易く行うは難しである。