子供が勉強を嫌がる?

私は、人間はみんな勉強が好きだと信じて疑わないが、それでも、
現実に、子供が勉強を嫌がることがある。
 
だから、その理由を解明しなければならない。
 
人間、特に、子供は「成長」に大きな価値を置いていると思う。
去年できなかった逆上がりが今年できるようになった。
今年、はじめて、25メートル泳ぎきった。
これらは、子供には大ニュースであり、大きな喜びだ。
これらは、すべて、「成長」を示すものである。
 
勉強は、「脳の能力の成長」を促すものだ。だから、子供が嫌いなはずがない。と思う。
 
ここでちょっと筋肉の話をしたい。
レーニングをすると、筋肉は成長するが、そのしかたは決して単純ではしない。
レーニングをはじめても、何日かは、筋肉は成長しない。ようだ。
それでもがんばってトレーニングを続けると、ようやく成長をはじめる。
が、少し続けていると、「今日はなんだかだるいな〜」という気持ちになる。
「今日は、体調もよくないようだし、ちょっと休む(サボる)か」と。
科学的な根拠はないのだが、この「今日はなんだかだるいな〜」感は、単なる「筋肉の疲労」ではなく、
「筋肉が成長することへの疲労」から来るのではないかと思う。
 
言うまでもなく、「筋肉の成長」は、タダではなく、必ずその「代償」がある。
そもそも、筋肉を成長させるには、筋肉を微細なレベルで傷つける必要がある。これは苦痛だ。
もちろん、筋肉中にたまる乳酸から来る苦痛もある。
それでも、最初のうちは、強いモチベーションを持つことで、その「代償」を払い続け、
レーニングを続けることができる。
しかし、ある程度すると、「もう筋肉は十分成長したし、ここらでやめてもいいんじゃないの?」
という声が、体の中から出てくるような気がする。
それが、この「今日はなんだかだるいな〜」感だと思うのだ。
 
勉強の話に戻そう。
脳は筋肉ではないが、やはり、体の一部(器官)である。
だから、もちろん、「根性さえあれば、無限に動かし続けることができる」などと考えるのは誤りだ。
勉強という脳のトレーニングを続ければ、メカニズムはわからないが、やはり筋肉と同様に、
(筋肉と同様のメカニズムと言っているのではない)「今日はなんだかだるいな〜」感を
示すのではないだろうか。
 
つまり、ここで言いたいことは、
「脳は器官であり、勉強は、脳を物理的にも変化させる。
 そうである以上、それなりの代償があるはずだ。
 そして、我々は(子供も大人も)、その代償を払うことを拒否したくなることがある」
ということなのだ。