アクティブラーニングの恐怖8

さて、言いたいことは言った。(あ、今のところ。)
で、どうすればいいのか。
 
教育行政を変えられる立場の人ではなく、今子供が学齢期である普通の市民だったらどうすべきか。
もちろん、わからない。
でも、一応、なんか書いておこう。
正直、自分にとって、リアルタイムの問題ではないので、かなりアマイと思うし、当然責任は取れません。
 
まず、小学校は、アクティブラーニングで問題ないと思う。
むしろ、楽しいかもしれない。
(私は、「みんなで楽しく話し合う」ということを否定しているわけではない。)
ただし、お子さんが今小学生なら、
 
  家庭で学習習慣を付ける
 
を強く強くお勧めしたい。事実上、これが今のところ、最後の砦だと思う。
中学生になったら親は関与できない。中学生は親の言うことなんか聞かないから(笑)。
そして、アクティブラーニングの恐怖が始まる(そして、たぶん終わる)のは中学校だから。
 
ただ、「そのために塾」とは思わない。塾は塾であって、家庭学習ではない。
私は、塾に放り込むより、食卓で宿題なんかを(楽しく)やらせる方が何万倍もよいと思う。
「自分は勉強が苦手だから、塾に任せたい」とお考えなら、考え直してほしい。
塾は、「見えない学力をすでに持った子供の成績を上げる」ことは得意だが、
「学習習慣のない子に根本的な学力を付けさせる」のは不得意だと思う。
根本的な学力、あるいは、学力の根本が形成されるのは、ほとんどが「家庭で」だと思うのだ。
(学力が十分ついて、家での自習では足りないとなったら、塾もよいと思う。)
 
さて、問題は中学である。
ここがもっとも恐ろしい。
だから、もし、私立中学に入れるという選択肢があるなら、検討に値すると思う。
ただし、中学入試はかなり特殊だと思うので、合わない子には合わないだろう。
早熟で、記憶力が良く、テスト競争を苦にしない子に向いている。
それと、田舎に住んでいる場合(ウチがそうだった)、受かっても通学時間が長いのはよくないと思う。
(まあ、「アクティブラーニングの拷問とどっちがいいか」という問題になるわけだが。)
それに、お金がかかる。かなり。
あと、私立中学でもアクティブラーニングをウリにするところが出てきた。
もちろん、それが良いと思うなら良いが、アクティブラーニングを避けたいなら、避けるべきだろう。
 
さて、諸般の事情で、公立中学に進んだ場合(ウチがそうだった)。
今、中学生なら、たぶん、アクティブラーニングはまだ途上だと思うので、そんなに心配はいらないと思う。
これから強化されていくものに、あまり悪い影響を受けてほしくないのだが。
 
数年後に中学生の場合。
どうなっているかわからないが、アクティブラーニングががっつり進んでしまっていたら、
やはり、「塾に入れる」が(数少ない)有効な選択肢だと思う。
ただし、微妙なのだが、私なら次のような塾は避ける。
 
 ・アクティブラーニングを称賛する塾。(あります。)
  (たぶん、商売上の都合で称賛しているだけだと思うが、それにしても、ねぇ。)
 ・学校を否定する塾。(あります。)
 
アクティブラーニングに染まるのが嫌だから塾に入れるわけだが、だからと言って、学校のすべてを
否定する塾は絶対よくないと思う。
その理由はずいぶん書いたので、簡単に書くが、
 
 ・学校で学ぶことは多い。(たぶん、アクティブラーニングであっても。)
 ・学校を否定する子供が幸せとはどうしても思えない。
 
だ。
学外で「ちゃんとした学力」の存在を知っていれば、アクティブラーニングの授業を楽しみ、
そこから何かを吸収することはできる(かも)と思う。
(ただし、アクティブラーニングのみでは、「ちゃんとした学力」を身に付けられないと思う。)
 
すでにお子さんが高校生の場合。
たぶん、まったく問題ないと思う。
それより、直近の入試改革の方が恐怖だと思う。
(後記:と思ったが、今の高校生ではまだ?)
あれはあれで、本当に腹立たしい。
 
終了です。