理系大学生のための数学入門的な何か(?)3

ではどうすればよいのか。
それは、「先生の言うことをよく聞いて、宿題をやるのが一番」であると思う。
以上。
 
だが、もう少しおまけを。
以下、講義が理論系の場合。
時間があるなら、春休みにでも杉浦先生を読んでみてもよいと思う。
ただし、前に書いたように、授業がそのものになる確率は低いと思う。
 
そんな余裕のない人に、素人の私が無責任に、助言と言うか感想を述べてみたい。
 
まず、最初の難関は「実数の連続性(完備性)」だと思う。
それをどう料理するのか、本によって違うわけだが、ずばり言いましょう。
コーシー列(基本列とも)、上に有界な単調増加数列、区間縮小法、
ボルツァーノ・ワイヤストラスという言葉が出てきたら、その辺である。
料理方法は違っても、食材はそれらなのだ。(いや、たぶん。)
それ自体は、難しくないと思う。逃げずに戦おう。
 
それから、数学では、集合というものが重要らしい。
(脱集合的なものも感じるが。)
たとえば、「実数」といったとき、個々の実数の性質というより、「実数全体の集合」の
「集団としての性質」が重視されるように思うのだ。
これは、なんというか、文系のみなさんの好きな言葉で言えば、コペルニクス的転回だと思う。
(個が重視されるより集団が重視されるのだから、日本的かも?(ギャグです。))
 
「集団としての性質」とは、「集団内の個の立場がどうなっているか」と「集団同士の関係」と
いうようなところであると思う。
そういう性質をひとたび確立すると、個のことはあんまり見ないで議論が進められることになる。
何より、かっこいい。
だから、そういう「集団としての性質」を表す言葉を、覚え、使えるようになろうと努力すると
よいのではないだろうか。
 
それは、順序集合、整列集合、開集合、閉集合、コンパクト集合などといった言葉である。
講義でこのような言葉が出てきたら、「おう。来たな」と思うべきである。
 
たとえば、「連続関数」などというものは、素人の考えでは「グラフが切れてない関数」であり、
当たり前に感じるが、聞いてみると妖怪のような存在だ。
その定義も、普通は「ある点 a に x が近づくときぃ・・・」と紹介されるが、
そのうち、たとえば、「任意の開集合の逆像が開集合になっているもの」になったりもする。
(後者の場合も、本当は「点」のことを考えていると思うのだが、そのセリフはなくなっている。)