どうでもよい話をひとつ

子供の頃読んだ偉人伝に次のような記述があったように思う。
 
ある貧乏な子供がいた。
その子は大変優秀であったため、学校の先生が、放課後無料で高度な勉強を教え、
費用も工面してあげた。おかげで彼は、上級の学校に進学できた。
貧乏な親子はその先生に報いるため、冷たい湖でエビをとって届けたりした。
その子は、その後、偉人となった。
 
美談ではないだろうか。(事実ならば、だが。)
大抵の日本人は、その先生を「すばらしい先生」と思うことだろう。
私はそう思う。
 
しかし、この先生がしていたことは「塾」である。
お金を取らなかったというだけで。
ポイントは、その学校の(大変立派な)先生自身が、「授業だけでは足りない」と
考えていたという点だ。
学校にはいろいろ子供がいるのだから、その偉人さんにとって、授業が簡単すぎたこと、
そして、先生が彼に合わせて授業レベルを変えることができなかったこと、
それは、当然だろうと思う。
 
で、お金を取らなければ美談で、お金を取るとよろしくない話と考えるのは、
おかしいと思う。
 
こんな話まで出して塾を擁護したいのではない。
塾を考えるときに、少しだけ、冷静になってほしいのである。