おっさんin代数幾何ワールド(途中まで)9

とうとう目標の最終節である。
最近、15分以上続けてものを考えることができないことを思い知っている。
 
第2章 スキーム 2.9 形式スキーム
ミッターク・レフラー条件(ML)
{φ_{n'n}(A_n') ⊂ A_n | n' > n} が停留する。
(ドイツ語が読める私には、どうしてもMittagをミッタクと表記できない。)
 
0 --> (A_n) --> (B_n) --> (C_n) --> 0 をアーベル群の逆系の完全列とする。
(1) (B_n) が (ML) を満たすとき、(C_n) も満たす。
(2) (A_n) が (ML) を満たすとき、逆系の列
0 --> lim A_n --> lim B_n --> lim C_n --> 0 は完全である。
 
X を位相空間都市、C を X 上のアーベル群の層とする。
すると、C には逆極限が存在する。
さらに (F_n) が X 上の層の逆系であり、F = lim F_n がその逆極限であるとき、
任意の U に対して、F(U) = lim F_n(U) 。
 
A が可換環、I がそのイデアルとすると、
  --> A/I^3 --> A/I^2 --> A/I
は逆系になり、この逆極限を A の I 進完備化という。
A 加群 M でも同様にできる。
 
X をネータースキームとし、Y をイデアル層 I により定義される閉部分スキームとする。
位相空間を Y とし、その上の環の層を O_{X^} = lim O_X/I^nX としたものを
Y に沿った形式的完備化といい、(X^, O_{X^}) で表す。
F を X 上の連接層とすると、F^ = lim F/I^nF を Y に沿った F の完備化という。
 
局所環付き空間 (X, O_X) が有限開被覆 {U_i} を持ち、(U_i, O_X|U_i) が
局所環付き空間として、あるネータースキーム X_i を閉部分スキーム Y_i で
完備化したものと同型のとき、ネーター形式スキームという。
O_X の加群の層 F が連接であるとは、U_i 〜 X^_i を経由して O_{X^_i} 加群として、
F|U_i 〜 F^_i となるものがあるときを言う。
 
アフィンネータースキームを閉部分スキームに沿って完備化したものを
アフィンネーター形式スキームという。
M^Δ を連接層 M~ を完備化したものとする。
 
A をネーター環、I をそのイデアル、X = Spec A、Y = V(I) とする。
(1) T = I^Δ は O_{X^} のイデアル層であり、任意の n に対し、Y 上の層として
  O_{X^}/T^n 〜 (A/I^n)~
(2) M が有限生成 A 加群のとき、M^Δ = M~ (×)_{O_X} O_{X^}
(3) M -> M^Δ は有限生成 A 加群の圏から連接 O_{X^} 加群の圏への完全関手。
 
(X, O_X) がネーター形式スキームとする。
イデアル層 T ⊂ O_X が Supp O_X/T = X であり、(X, O_X/T) がネータースキームのとき、
T は X の定義イデアルとよばれる。
 
(X, O_X) がネーター形式スキームとする。
(1) T1 および T2 が2つの定義イデアル層であるとき、ある整数 m, n > 0 が存在し、
  T1 ⊃ T2^m、T2 ⊃ T1^n 。
(2) (x, O_X/T) が被約なスキームとなる最大の定義イデアル層が一意的に存在する。
(3) T が定義イデアル層であるとき、任意の n > 0 に対し、T^nもそうである。
 
X をネーター形式スキーム、T を定義イデアル層、Y_n を (X, O_X/T^n) とする。
(1) F が O_X 加群の連接層であるとき、F_n = F/T^nF は O_{Y_n} 加群の連接層で、
  F 〜 lim F_n 。
(2) O_{Y_n} に F_n が与えられ、n' > n に対する全射 φ_{n'n} : F_n' --> F_n が層の逆系、
  n' > n に対し、ken φ_{n'n} = T^nF_n' となっているとする。
  このとき、T = lim T_n は連接 O_X 加群で、F_n 〜 F/T^nF 。
 
A をネーター環、I をイデアル、A は I 進完備とする。
X = Spec A、Y = V(I) とする。
このとき、M -> M^Δ および F -> F(X^) は完全であり、有限生成 A 加群の圏と
連接 O_X 加群の圏同値を与える。
特に、すべての連接 O_X 加群 F はある M に対し、M^Δ の形をしている。
 
X が任意のネータースキーム、Y が閉部分スキーム、X^ が Y に沿った完備化のとき、
関手 F -> F^ は連接 O_X 加群から連接 O_{X^} 加群への完全関手である。
sらに、I が Y のイデアル層であり、I^ がその完備化であるとき、F^/I^nF 〜 F/I^nF であり、
F^ 〜 F (×)_{O_X} O_X 。
 
ネーター形式スキーム上の連接層の射の任意の核、余核、像はまた連接である。
 
ハーツホーン第1巻終了!!!