最近(?)読んでいる本

新数学読書法なんて書き出すのは、本を読んでいてそこそこうまく行きだして、
その勢いを止めないように、かつすこし息を抜くようにそんなことを書くのである。
 
かなり前に「圏論の基礎」(マックレーン)の7割くらいを読んで止まっている。
7割で止まっているのは内申忸怩たる思いではあるが、まあ、事情があるのだ。
しかし、この本は本当におもしろかった。
18才の頃から「分野を問わず最高の本を1冊挙げろと言われたらランダウの力学と答える」と
言い続けてきた。が、今は、「同着でマックレーンの圏論の基礎」と言いたい。
どちらも、美しい本だと思う。
 
圏論の基礎は、最初、まったくわからなかった。
が、息子の一言で道が開け(「自然変換は射の集りだよ」だ)、それから地道に読むことができた。
その後、息子に宿題として渡されたのがLurieのHigher Topos Theoryだが、これはちょっと難しい。
まったく歯が立たないというのではない(と思う)が、ちょっと、準備的な本が読みたくなったのだ。
で、(本かどうかわからないが) DwyerとSpalinskiのHomotopy theories and model categoriesを
読んでみた。大変おもしろかった。著者たちの見識と誠実さが光っていると思う。
 
それから、順当に(?)、HoveyのModel categoriesかなと思っていたら息子が帰ってきて、
ズタボロにやられた。
あっちの持ちネタは、RiehlのCategorical homotopy theoryのようだ。
(エレキをひっさげたかっこいいおばさんである。)
これはねだられて私が買ったものであるるっ。
で、対抗して、こっちも読んでみたいとか、だんだん発散の様相を呈してきた。
 
ただ、次第に、「新数学読書法」で言っているような読書法を考えるようになった。
Higher Topos Theoryでそれを試すのもいい(と言うか、一部試している)が、
まったくの別分野で試したくなって、ハーツホーンの代数幾何を読み始めた。
(正確には、Lurieがあまりにも難しく、7回読みを発展させるうちに、そんな感じになり、
 Dwyer・Spalinskiに適用したらかなりうまくいったようなのだが、この本はかなり
 親切に書いている上に私の基礎知識も素人レベルではなくなって(笑)きたので、
 まあ、別分野で試したくなったのだ。)
 
これが、衝撃的に難しい。
何言ってんだか、全然わかりませんや。
と言うことで、燃えた。
で、まとめると、私の「新数学読書法」はハーツホーンを読むための読書法なのである。