娘と娘のすばらしい友人たち

高校生活で最大のイベントが近づいている。
(「受験はどうした?」と言いたいが、まあ、がまんしておこう。)
みんなお祭り騒ぎかと思いきや、各部署のリーダーと責任感ある人たちは、
期日に間に合わせるべく、このところずっと深刻な顔をしているそう。
今日は、娘と話をしていた別部署のリーダーさんの目から、突然、涙があふれ出たという。
そしてまた、涙をふくと、持ち場に戻って行ったとか。すごいな。
 
娘の所属する部署もリーダーと一部の人は深刻な顔をしているそうだ。
が、娘を含む他の人たちは、「大変だ〜、大変だ〜」と言いながらも、笑っているのだそう。
そして、その両者の違いがはっきりわかるのだと言う。
今、前者を深刻組、後者をお気楽組とよぼう。
 
で、一番深刻そうなリーダーが不在のとき、娘は自分の考えを述べたそう。
「深刻とお気楽を分けるのはその人の責任感ではないか」と。
え〜、こほん。娘はお気楽組である。
そして、娘はさらに自分の観察結果を述べた。
「深刻組は全員長子で、お気楽組は全員末子である」と。
見ていないが、たぶん、得意満面だったと思う。
聞いていたお気楽末子ちゃんは「なるほど〜」と言い、深刻長子ちゃんは「そーだね」と
一言だけ言ったそう。
深刻組の友人たちの胸中は察して余りある。私は長子だから。
 
とは言え、彼らは決してギスギスすることなく、仲良くやっているそうだ。
それはね。長子たちがすばらしいんだよ。ありがとう。
それでも、娘はほんの少しだけ不満そうに言う。
「でもね。長子の人たちだけで、何か通じ合うものがあるようなの。
 なんだか、目と目で励ましあってるような。私たちにはそういうのがないのに」と。
そ、そりゃそうじゃないかね。
 
娘は「それにしても、落ち込んでいるリーダーたちをどうなぐさめたらいいんだろう」などと
妻に聞く。
「そういうときはね。そっとしておいてあげるのがいいのよ」という妻も末子である。
この末子ちゃんたちからは、「働いてリーダーたちの負担を減らす」という発想は出ないのだ。
ま、たぶん、長子ちゃんたちは、期待してないと思うけどね。