受験の極意

なんかわかっちゃったような気がする。
 
受験とは、入試問題に対し、その解答を組み立て、それを解答用紙に書き込んでいくことである。
重要なことは、「解答は組み立てられるもの」ということだと思う。
「組み立てる」という動詞を使ったのは、それが私のイメージにもっとも近いからだが、それは
「既存の知識を使って解答を構成していく」というイメージだ。
ここで、「既存の知識」とは、受験生が試験場に(頭の中に入れて)持ち込む知識のことだが、
それは「構成されるもの」の一部(つまり、材料)でもあり、また、「構成するための道具」でもある。
 
たとえば、「食器棚を作れ」という問題が入試で出た場合、材木をノコギリで切り、トンカチで釘を
打って作ることになるだろう。この場合、木材と釘が材料でノコギリとトンカチが道具だ。
たとえば、「次の問題を解け」という問題が出た場合、それは「解答を組み立てよ」という意味だが、
そのための材料(知識)は問題自体にも含まれてもいるが、普通はそれだけでは足りず、自分が
試験場に持ち込んだ知識も使うことになる。
また、材料となる知識を組み立てるのに、切ったり貼ったりする道具(これも知識)も必要だ。
そのような道具(となる知識)が問題に含まれていることもあるが、大部分は自分が試験場に
持ち込むものだと思う。
 
「食器棚を作れ」という問題に対処するにはどうしたらよいだろうか。
それは、「普段から食器棚を作る練習をしておく」ということだと思う。
練習をしておくと何がよいかというと、その方が、すばやく的確に作れる可能性が上がるからだ。
 
それにしても、普通の入試では、既存の問題はでない。
つまり、ある年に「食器棚を作れ」という問題が出たとすると、別の年に「同じ食器棚」が
出ることはない。
そのかわり「前のとは違う食器棚を作れ」という問題が出る。
あるいは「犬小屋を作れ」かもしれない。
 
そうではあるのだが、それでも、「ただ板を切ったり釘を打つ練習をしただけの人」より、
「食器棚を実際に作ってみた人」の方が良い成績になる可能性は高いと思う。
だから、同じ問題は決して出ないと知りつつ、ちゃんと練習しておくべきなのだ。
 
「解答を組み立てる」とはどういうことだろうか。
たとえば、数学の解答に「三角関数の和を積に直す公式」が必要だったとしよう。
私の記憶が正しければ、私はそのような公式を覚えていたことはなく、試験中に導いていた。
(もちろん、そのモトになる公式は覚えていた。)
私は、「三角関数の和を積に直す公式」も「解答の一部」として組み立てていたのである。
 
続く。