スポーツ勉強法 4

一見練習してるのにうまくならないなら、それは、才能の有無より前に、
「本当にちゃんと練習していない可能性」を疑うべきだ。
勉強も同じ。学力が伸びていないなら、「本当に勉強しているか」を疑うべきだと思う。
 
と書いた。
(このエントリーがそもそも誰向きに書いてるのか、もうよくわからない。)
実際、指導者(スポーツのコーチや数学の先生)は、「あ、こいつ練習(勉強)してないな」
とすぐわかると思う。私(元数学の先生)はそう感じた。
 
「なぜ練習(勉強)しないのか?」に関しては、様々な「解釈」があると思う。
が、たぶん、一番多い「解釈」は、「こいつサボってるな」だと思う。
私もはじめはよくそう思った。
「やればできることを、この子はなぜしないんだろう?」
「そして、どうして貴重な時間を空費するんだろう?」
「勉強したくないなら塾なんか来なきゃいいのに」
と思った。もちろん、そんなことは決して口に出さなかったが。
  
しかし、だんだん感想も変わってきた。
今でも、「ちゃんと勉強(練習)しない」の背後には、どこか「サボり体質」があると思う。
ただし、何度も繰り返しているが、ここでは「意図的なごまかし・サボり」は論じていない。
自分自身もわかっていないか、あるいは、ぼんやりわかっていても正視していない「サボり体質」が
あるのではないか、ということなのだ。
スポーツで「きちんとフォームを気にしながら動きなさい」と言われて、
きちんとフォームを気にしないのは、たぶん「サボり体質」だと思う。
しかし、フォームを気にしない分、全力の力を出していたりして、本人的には
「オレ、がんばってる〜」的なものを感じているかもしれない。
 
で、その「サボり体質」は、ひょっとすると、親が(それと塾の先生)が生徒を
追い込んだがゆえに出来上がってしまったという側面もあるのではないだろうか。
と思うのだ。
 
ちなみに、スポーツの練習にはいろいろ目的がある。
たとえば、体力の増強とか、巧緻性のアップとか、仲間との連携強化とか。
そして、目的に応じて、やり方がある。
すると、たとえば「いつでも全力」が必ずしも良いわけではない。
(巧緻性の訓練の時に雑に全力を出しているのは、本当の「全力」ではないと思うけど。)
それは、誰でもわかると思う。
 
そして、それは、たとえば数学でも同じだと思う。
単に、「今日はベクトルの勉強」「今日は微積」という項目の違いではなく、
概念の理解、公式の記憶、公式の利用方法の理解、計算力の向上、総合力(笑)などなど。
そして、当然、目的に応じてやり方があるはずなのに、どういうわけか、数学(や勉強全般)の
話になると、ただ「答を出すこと」だけが目的だと思われてしまうことが多いと思う。
それは、実に、雑な練習方法であり、よほど運が良くないと上達しないと思うのだ。
 
もっとも悪いのは「テストで良い点を取ること」だけが目的とされる場合だと思う。
「人間にはテストの点数より大事なことがある・・・」という話ではなくて(くどいです)、
テストの点数を上げる練習じゃないときにもテストの点数を気にしていたら、
テストの点数は上がらないということである。