「7回読み」買いました

正式名称は、「東大主席弁護士が実践!誰でもできる<完全独学>勉強術」山口真由著。
「こ、この、題名の本を俺に買えと言うのか?書店の人にどんな顔して出せばいいんだ?」
と思わずにいられない題名(かつ、インパクトありまくりの表紙)だが、おもしろい。
まず、勉強法としてかなり有用な気がする。
それと、おまけして、文系の大秀才さん(東大総長賞を取ったとか)の考えがわかる。
(勉強法の本は、文系の方が多いですよね?
 あ、高名なお○者様がいますが、えーと、あの方からは理系シュウが感じられ、ませぬ。)
 
勉強法を聞くと、かなり多くの人が、それを自分の知ったやり方に解釈しなおして、
「それはすばらしい」とか「誰でも知ってる」とか言い出す。
この方法の場合、たぶん、「覚えるまで何度でも教科書を読む」と解釈され
評価されることが多いのではないかと思うのだが、もっとずっとぶっ飛んだ方法だと思う。
(ほめている人でも批判している人でも、同じ教科書を本当に7回読んだ
 経験のある人は少ないと思う。私自身、たぶん、そんなことはしたことがない。)
もちろん、適用できる人、できない人がいると思うので、まず本屋さんで確かめるべきだが、
気に入ったら、買う価値のある本だと思う。
 
で、その勉強法の中身は本を読んでいただくとして(笑)、別のところ、「文系の秀才さんのご意見」
と言う点で、感想を書きたい。
もちろん、批判などでは絶対ないことを最初に言っておきたい。
ちょっと、皮肉っぽく聞こえるかもしれないが、ご容赦を。
何しろ、著書は、東大総長賞のお方である。
以下、ランダムに。
 
・著者さんの人生観がすごい。
この部分を不要と言う人もいるようだが、この部分だけでもおもしろい。
 
・日本史と数学の扱いの違いがおもしろい。
この著者さんはたくさん本を書いているらしいが、「具体性に欠ける」的な批判があったようで、
この本の説明はかなり具体的になっている。(だから、まあ、買ったんですけどね。)
日本史の方は、7回読みに使った教材の概要と各回にかかった時間が明記されている。
全370ページの本、1回目26分(細かっ!)、2回目も26分(1回目と同じ、まあ、あるでしょう)、
3回目1時間(あれ有効数字は?)、4回目2時間2分(あ、やっぱり有効数字は1分!)、、、。
で、数学の方は、何ページの本とも何分かかったとも書いて、、、ない(ですよね?)。
この事実が何を意味するのか判断する材料はないが、いずれにしても興味深い。
(あと、まあ、これは仕方がないことだが、著者さんは得意の日本史を勉強しなおしていることになる。
 本当に、高校生になってはじめて日本史の教科書を読んだ時もそのペースだったかはわからない。)
 
・日本史と数学の「理解」がおもしろい。
数学と日本史の違いが書いてあるのだが、
「日本史の場合は、歴史の流れや前後のつながりがあるので、教科書を最初から順に読み進める
必要があります。これが数学になると、各パートには、とくにつながりはありません」(p107)とある。
数学の先生が読んだら、ぶっとびますよね?え?そうでもない?
たぶん、このご意見に反対する人も多いだろう。
しかし、それでも著者さんが、(文系問題とは言え)東大の数学を突破したことは事実であり、
それは示唆に富んでいるように思う。
それと、あと、世界史勉強中の私としては、「世界史の場合」はどうなのか、著者さんのご意見が
聞きたかった。
 
・著者さんの現代文の「理解」がおもしろい。
著者さんは現代文が苦手だそうで、「教科書に載っている文章が、そのまま試験問題に採用されれば
別ですが、そんな可能性は極めて低いからです。実際に試験に出題される文章は、はじめて読む
文章ばかりです」(p125)とある。
ごめんなさい。
これは、たぶん、著者さんは、現代文という科目を根本から誤解していたのではないかと思う。
逆に、数学の問題なら、「教科書に載っている問題がそのまま採用されていた」と感じていたのか、
そこが知りたい。(批判とか皮肉ではなく、実際、心の底から「著者さんの考え」を知りたい。)
(僭越ながら、著者さんが受験生の時に私の話を聞いていたら、現代文も大得意になったと確信する。
 でも、ま、それじゃ、つまんないのかもしれない。)
 
えーと、いろいろ書きましたが、実際、とても良い本だと思うのです。