昔、戦争ごっこをしていた

私が幼児の頃、チャンバラごっこというのがあってそれで切り合いをしていた。
たいてい、イイモンとワルモンに分かれて、ワルモンは「ぎゃあ〜」とか言って切られるのだ。
チャンバラは、私の親の世代にもあったらしく、止められることはなかった。
「剣に見立てた木の棒が目に入らないように」というくらいの注意はあった。
 
小学生になると、戦争ごっこが流行った。
いくつかバリエーションがあるが、要するに、陣取りゲームだった。
子供達は、水雷とか艦爆とか、たぶん今の子供は知らないだろう物騒な言葉を使って遊んだものだった。
親達は何も言わなかった(と言うか、小学生なんだから親がいないところで遊ぶようになっていた)が、
もし、見ていたら、ぞっとしたかもしれない。
 
ただし、「反戦意識」も小学校低学年くらいから強く持つようになっていた。
「新しい憲法の話」は、わが国が誇るすばらしい著作である。
しかし、自分の反戦意識と戦争ごっこは矛盾なく共存していた。
更に言うと、私は子供の頃、戦車とか戦艦とかが好きだった。
よく戦艦の絵を描いていたものだった。
(ちなみに、私の戦艦やロボットが戦う相手はアメリカやソ連ではなく世界制覇をねらう悪の組織だった。)
 
その辺に矛盾を感じるようになったのは、もう戦争ごっこなんかしなくなった高校生くらいである。
そして、「あれはナンだったんだろう」と思った。
実際、あれはナンだったんだろう。
  
更に大人になって、戦争ごっこと戦争は違う。
戦争ごっこはおおいにやってよい。(もちろん、戦争はしてはいけない。)
という文章を読んで、胸をなでおろした記憶がある。
実際、今はそう思う。
 
もちろん、戦争してはいけない。