センター古文をどうにかするべきだ!

2010年の古文に「恋路ゆかしき大将」という文章の問題が出た。
私がやってみたところ、50点満点で36点と、まあ、国語得意の私としては不本意な点だった。
が、それはいい。
そうじゃなくて、その内容が○人じみている。
 
教学社の解説を読むとさらにその○気がわかる。
26歳で奥さんが2人いてさらに愛人も複数いる主人公(大将)は女性に満足できなかった。
帝はそれを心配し、女御(帝の寝所に侍する人ですな)に合わせると、大将は心を強く
動かされるが、さすがに遠慮する。しかし、その女御の11、2歳になる子供(帝の子でもある)を
見るとその子に心を奪われ、それから人形を贈りまくる。
それを知った帝は、なにやら「うまくいった」と思う。
、、、という筋書きの話で、女の子を見かけるあたりからの出題である。
 
○っているのは、この文章を書いた人ではなく、この文章を研究している研究者でもなく、
こういう文章を「大学に入りたい」と一生懸命勉強してきた18歳くらいの受験生たちに
読ませる出題者だ。
 
この問題をやったとき、私が「酷いな〜」と言ったところ、息子は「これは歴史的悪問。
もう出ないから心配ない」と言っていた。
私もそうだろうと思った。
しかし、今年の古文も、酷いものだった。
そのリード文は以下のよう。
 
三条殿の夫である大将殿は妻子を愛する実直な人物で知られていたが、別の女性に心奪われ、
その女性の意に反して、深い仲となってしまった。以下は、これまでにない夫の振る舞いに衝撃を
受けた三条殿が、子どもたちのうち、姫君たちと幼い弟妹たちを連れて、実家へ帰る場面から始まる。
これを読んで、後の問に答えよ。
 
なぜ、こんな腐った奴の話を子供たちに読ませたがるのか、まったく理解できない。
(その上で、偉そうに「後の問いに答えよ」とは。)
これは有名な源氏物語のあまり有名でない一節だそう。
日本で源氏を批判するのには勇気がいる。
しかし、源氏物語の批判ではなく、出題者への批判だ。
「古典文学ならなんでもいい」というものではないと思う。
作問委員の解雇を要求したい。