続・娘の数学道2

娘は、どう見ても明白な式変形、
  A < B だから A < B + 1
みたいなもんを見て、わからないと言った。
で、聞いてみると、「なぜ、そんな式変形をしたかがわからない」と言う。
 
そうか。そうだよね。なぜ、そんな式変形したんだろうね。
私の目には明らかである。
B そのものより、B + 1 の方が扱いやすいからだ。
(不等式ってありますよね。そういうの。)
しかし、式変形をやみくもにやっていたら、たまたま扱いやすい形になったのではない。
それは、「解答の最終段階」を目指して式変形しているのである。
たとえば、「最後に相加相乗平均を使う」場合、そういう方向に式変形していくのだ。
 
これは、数学(って、いえ、高校数学の話ですよ)に慣れた人間には当たり前の行動だ。
しかし、高校数学に入門したての娘は、まだ、そういう考え方に慣れていないのだ。
「そういう考え方」とは、「最終段階から逆に進んで考え、そちらの方向に合わせて
論を進めて行く」という考え方である。
 
高校受験の塾の先生なんかが、よく、こういうことを言うかと思う。
しかし、本当にそういう考え方を使うのは、実は高校以降ではないだろうか。
ここで、重要なことは、必要条件・十分条件をきちんと意識しつつ話を進めなければ
ならないということだと思う。
実を言えば、「解けるようにできている高校数学の問題」は、その辺があいまいでも、
なんとなく「できた雰囲気」になりやすい。
しかし、そこをしっかり考え抜かなければいけない。
 
不等式のおかげで、娘は、また階段を1歩登ろうとしているように思うのである。
がんばれ〜。
かわいい娘よ。