学校の教育力について

同じ話題である。
 
我が子の中学には「学校へ行こう週間」というのがあって、その間には授業見学ができた。
行ってみたら、見学に来ている親は私1人だった。
で、小柄な女の先生の授業だったが、教室の後ろの方は紙飛行機を飛ばして大騒ぎ。
先生の声はたぶん前の方の数人にしか聞こえていなかったと思う。
授業崩壊である。
この状況を見て「先生が悪い。先生に指導力がないからこうなった」と言うことはできる。
しかし、先生の責任だけだろうか。
若くてエネルギーをもてあます中学生を指導するには、それなりのエネルギーと
テクニックがいると思うが、あそこまで荒れてしまう子供を指導しつつ、その学力を
上げるなんてことができる人は少ないと思う。
 
元アルバイト塾教師の私は「できない」と断言できる。
私は男なので、たぶん、大声を出して、生徒を黙らせることはできると思う。
しかし、黙らせるだけで、学力を上げることはできないだろう。
ちなみに、それは市立中学の話だ。
塾なら、大声を出す必要はない。
その親御さんに電話して、その生徒におやめいただくだけでいいのだ。
(最近は、そうでもないらしいのだが。)
一番の責任は、そんな風にお育てになった親御さんたちにあるのではないだろうか。
 
しかし、我が子の中学で、そのような授業崩壊はむしろ例外的だった。
ありがたいことである。
隣の市立中学はもっとひどいというウワサだった。
あくまでウワサなのだが、「中学1年生が登校初日に私服登校する」(制服の学校で)、
「教室でジュースを飲み、空き缶が散乱している」「空き缶を窓から投げ捨てる」という。
「授業で先生の声が本当に聞こえない」という話も聞いた。
その中学の地域にお住まいの「できる子」をお持ちの親御さんたちの多くは、子供に
中学受験をさせるという。
実際、我が子の優等生の友人は、受験して私立中学に進学した。
そのお母さんは、妻に、「別に私立に行かせたいわけではない。何が何でもアノ中学に
いれたくないだけ」と語ったそうである。
 
その中学に1つ不思議なことがある。
その中学から、毎年公立トップ高に進学するお子さんがいるのである。
それどころか、私の知る限り、2、3年に一度くらいは、県外の超難関高に進学する
お子さんもいるのである。
 
さて、ここで問題です。
その中学で荒れている子供たちの学力は高いでしょうか低いでしょうか?
低かったとして、それは誰の責任でしょうか?
その中学の超成績優等生の学力はなぜ高いのでしょうか?
 
私は、学校は子供たちを育てる神聖な場所であると思います。
しかし、生徒の学力を学校や先生だけの責任にしてしまうのは、現実を見ていないと
断じざるを得ません。