数学を話す 3

「数学的人格になるための、シンプルで具体的な実践とは何か」の2つ目。
 
 2次関数の最大値、最小値の問題を楽しむ。(高校生レベル)
 
実は、今回はこの話がしたかった。
娘の数学勉強と連動しているのである。
で、理論的にあーだこーだ言いつつ、娘の勉強の進展に備えようと思っていた。
ら、あっさり、終わってしまった。ようだ。
 
う〜ん。いや、よかった。
 
でも、やっぱり決着は着けておこう。
高校数学がそれまでと違うのは、表面的に言えば「場合分け」だろうと思う。
おそらく一番はじめに出会う、そのタイプの(本格的な)問題は、以下のような
ものだと思う。
 
 問題:
  y = x^2 - 4x + 1 の a ≤ x ≤ a + 1 の範囲での最小値をm(a)とする。
  m(a)を求めよ。
 
 解答:
  a < 1   m(a) = (a + 1)^2 - 4(a + 1) + 1 = a^2 - 2a -2
  1 ≤ a < 2 m(a) = -3
  2 ≤ a   m(a) = a^2 - 4a + 1
 
まず、y = x^2 - 4x + 1のグラフを書いて、aの値を「だいたい」で置いてみて、
「a ≤ x ≤ a + 1」を考え、aを動かしたときの最小値を考えてみるわけ。

 
私は、この問題(この手の問題)好きなんです。
なんと言うか、故郷に帰ってきたような、懐かしい思いに浸ってしまう。
この問題は、「2次関数のおもしろさ」と「数学の意外な簡単さ」の両方を
よく示してくれる問題ではないだろうか。
 
しかし、高校一年生にとっては、それは、「数学の答に関する概念の変更」を
要求するものではないだろうか。
(それ以降、私の「数学に関する概念の変更」はない。
 だからこそ、故郷なんだと思ふ。)
「中学の数学とどう違うのか」を書こうかと思ったけれど、すっきり言えない。
ま、違いますよね?
この違いを心の底から納得することこそが、「高校以後の数学を話す」ことの土台であると思うのだ。
 
だからこそ、これを十分に楽しむとよいと思うのである。
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